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読売新聞社が先月実施した憲法に関する全国世論調査で、憲法を「改正する方がよい」と答えた人が過去最高の60%に上った。改正賛成派は、七十歳以上など高齢者で増加が目立っており、初めて全世代で半数を超えた。
また、「改正しない方がよい」とする反対派は27%と初めて三割を下回るなど、憲法改正に対する国民の支持や理解が一層、広がりをみせていることがわかった。一方、この世論調査と同時期、ほぼ同様の質問で、衆参両院の憲法調査会メンバーを対象にアンケート調査を行い、国会議員の憲法観を探った。この結果、改正に賛成するという意見は、自民党や民主党の所属議員をはじめとして回答者の約七割に上った。
読売新聞社は、憲法についての世論調査を八一年から行ってきたが、今回は「憲法を改正する方がよい」とする改正賛成派が、昨年に比べて7ポイント増えた。賛成派は20、30、40歳代でいずれも六割台にのぼったほか、最も低い70歳以上でも51%に達し、憲法改正に対する賛成論が年代を超えて根付いてきた。これは今年一月に国会に初めて憲法調査会が設置され、憲法に関する議論が開始されたことなどが影響しているものとみられる。
憲法改正賛成派を支持政党別にみると、自民、民主、公明、自由、社民などの各党支持層で半数を上回り、とくに公明支持層で昨年比13ポイントも賛成派が増えた。共産支持層でも46%が賛成だった。
これとは逆に、憲法を「改正しない方がよい」とする反対派は、昨年に比べて4ポイント減少した。
憲法について関心を持っている項目について聞いたところ、憲法改正の焦点であり続けている「戦争放棄、自衛隊の問題」が最多で37%。次いで「環境問題」31%、「プライバシー保護の問題」24%、「情報公開」が20%で続いており、「新たな権利」を憲法に盛り込むよう求める意見が強いことがうかがえる。衆参両院の憲法調査会について関心があるかどうかを聞いた質問では、「関心がある」45%に対して、「関心がない」は51%だった。
調査会ではどのような姿勢で議論をしてほしいかでは、「憲法改正を前提に議論する」が30%、「現行憲法の維持を前提に議論する」29%、「前提を一切設けずに議論する」も31%で、「改憲・護憲・論憲」の姿勢に三分された。
また、次の衆院選挙で投票する際、政党や候補者の憲法問題への姿勢を判断材料とするかとの質問では、「する」34%、「しない」35%だった。
◆衆参両院の調査会委員、改正派が7割◆
衆参両院の憲法調査会メンバーに対するアンケート調査では、回答した委員八十人のうち五十五人(69%)が憲法改正に賛成と答えた。改正反対は十二人(15%)、無回答十三人(16%)だった。九七年に読売新聞が全国会議員を対象に実施したアンケート調査では、改正賛成派は60%だった。
政党別にみると、自民党では改正賛成が三十九人中三十六人で、反対はゼロ。民主党は十五人中九人が賛成で一人が反対、公明党は六人中一人が賛成、反対ゼロで無回答が大半の五人にのぼった。自由党の六人(三月の調査時点での所属)は全員が改正賛成、逆に共産(七人)、社民(四人)両党は全員が改正反対だった。議論に臨む姿勢としては、「憲法改正を前提に議論する」(三十六人)、「前提を一切設けずに議論する」(二十七人)、「現行憲法維持を前提に議論する」(七人)の順だった。
各党が「五年後をめどに議論の成果を報告書にまとめる」ことを申し合わせた調査会の議論の進め方については、「予定通り五年後に報告書をまとめる」(三十三人)と「変化の激しい時代なので五年後にこだわらずできるだけ早くまとめる方がよい」(三十二人)に意見が分かれた。
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憲法に関する全国世論調査は、三月十八、十九の両日、全国の有権者三千人を対象に行い、千九百三十五人から有効回答を得た(回収率64・5%)。一方、衆参両院の憲法調査会メンバーに対するアンケート調査は、全国世論調査の実施日と相前後して実施し、委員九十五人(衆院五十人、参院四十五人)のうち、八十人(衆院四十四人、参院三十六人)から回答があった。調査時点は、自由党の分裂前で、自由党は六人のメンバーがいた。分裂後、そのうち四人は、保守党に属しているが、今回の分析にあたってはすべて自由党として扱った。
(4月14日23:52)
★あれあれ、アカさんの支持者でも4割強が賛成だとは。
★私は個人的には、以前より改正論議はタブー視する必要は無いと思っていますが、こういうタイミングでこういう世論調査の結果を発表するって、なんか恣意的なものを感じるな。世論調査と称する世論操作は「彼等」の十八番だからな。