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米国の国立ローレンス・バークリー研究所のセスラー元所長や「憂慮する科学者同盟」、マサチューセッツ工科大学(MIT)などのミサイル専門家11人は11日、米国が開発を進める米本土ミサイル防衛(NMD)について、相手が単純なめくらまし策をとるだけで防衛網はたやすく破られるので、効き目はない、と強調する報告書を発表した。ロシアが第二次戦略兵器削減条約(START2)を批准すれば、米ロ交渉の焦点は、NMD計画とその導入に伴う弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の見直し問題に移る。報告書は、国内外のNMD批判派の議論を支える有力な材料になりそうだ。
科学者たちは、米国がたとえ、2カ所の基地に計250発のミサイル迎撃体を配備し、標的弾頭を探知する地上レーダーや衛星のセンサーなどを完備したとしても、相手国が、(1)化学・生物兵器を100個以上の小型弾頭に分散する(2)大量のおとり用風船を用意し、そのうちの1個にだけ核弾頭を入れ、見分けがつかないようにする(3)液体窒素で冷却した金属の覆いで核弾頭を包み、熱追尾の赤外線センサーに探知されるのを難しくする――といった対抗策をとることは当然考えられる、と指摘。その場合、すべてを撃ち落とすことはとても無理で、本土を守るはずの「盾」はたやすく突破される、と主張した。
報告書は、こうしためくらまし技術は、長距離弾道ミサイルをつくる技術がある国なら簡単に開発できる、と述べている。
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★SDIの時にも言われたことですね。