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◎「金丸氏が工作」と中村被告、えん罪を主張
「金丸さんに擬せられ私は(実刑)判決を受けた」―。ゼネコン汚職で、建設業界団体の談合告発見送りをめぐり、現金1000万円のあっせん収賄罪に問われた元建設相の衆院議員、中村喜四郎被告(50)=無所属、本県七区選出=らの控訴審第九回公判が27日、東京高裁(高橋省吾裁判長)で開かれ、弁護側の被告人質問が行われた。中村被告は受け取った現金は政治献金とした上で、談合の刑事告発を見送るよう公正取引委員会に圧力をかけたとする一審判決は事実誤認と主張。「業界がそれを頼める政治家は当時、建設族のドンで最大派閥の長、金丸信氏ただ一人」と、告発回避は故金丸元自民党副総裁による工作と強調した。
中村被告は1991年5月に談合疑惑で公取委が立ち入り検査に入ったころ、「金丸さんから『告発問題はおれが仕切る』と言われた」と供述した。
当時の梅沢節男・公取委員長が控訴審で「金丸氏から電話で告発回避の働きかけを受けた」とする証言などを裏付け証拠に挙げ「金丸さんは執念を持って動いていた」と金丸氏の関与を強調した。
梅沢氏が一審に続き控訴審でも「92年1月、中村被告に圧力を受けた」と決定的証言をしていることについては、中村被告は「告発回避は前月、金丸さんと宮沢喜一首相=当時=の会談で既に決まっていた」と主張し、会談に同席した自民党幹部の”確認書”を裁判所に提出。「金丸さんが仕切ると宣言した話に余人は手出しできない。出せば政敵になる。当時の政界の常識だ」などと、梅沢証言を事実無根とした。
中村氏は「金丸さんは当時、私の派閥の会長。一審では金丸さんに遠慮し細かく供述できなかった。今回はすべての真実を話す」などと、あらためて完全潔白を訴えた。
被告人質問は5月15日の次回公判で引き続き行われる。
弁護側は元鹿島副社長、清山信二被告=贈賄罪で控訴中=に対する被告人質問も予定しており、裁判所は9月18日まで計四回の公判期日を指定した。
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* 死人に口梨・・・