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特報・東京相和銀:
買収に米ロスチャイルドグループが名乗り
昨年6月に破たんし、金融整理管財人の管理下にある第二地銀、東京相和銀行(本店・東京都港区)の買収に、米大手投資会社、ロスチャイルドグループが名乗りをあげたことが28日、明らかになった。東京相和買収には、外資系投資組合の傘下に入った日本長期信用銀行と、旅行業大手、エイチ・アイ・エス(HIS)も名乗りをあげている。金融再生委員会は破たん後1年以内に譲渡先を決める方針で、今後、この3グループが譲渡先選定の軸となる。
米ロスチャイルドは、投資家から募った資金で企業を買収して再建し、株式を再上場させて配当する手法を得意とする。昨年5月に破たんした第二地銀、幸福銀行の買収にも名乗りをあげており、現在、大和銀行グループと譲渡交渉で競っている。東京相和の買収は、同行が東京を中心して首都圏に101店舗を持ち、24時間ATM(現金自動預け払い機)を展開するなど、リテール(小口金融)取引が強いことを評価したとみられる。
東京相和は昨年9月末で3816億円の債務超過となっており、譲渡時には貸倒引当金の追加や損失の穴埋めなど、預金保険機構から公的資金も含めた資金支援を受ける予定。ロスチャイルドの買収計画は、公的資金の追加投入額が、他グループの計画に比べ抑制されているのが強み。再生委は総合的な見地から選定作業を進め、5月中にも内定したい考えだ。 【竹川 正記】