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03/27 14:56 制裁解除は産業界の要請 「テロ支援国家」に米政府 外信54 #01
共同
米クリントン政権が、イランやリビアなど「テロ支援国家」に指
定している国に対する制裁を解除する姿勢を見せ始めた。これまで
クリントン大統領を支えてきた産業界の要請が背景にあるとみられ
、来年一月の大統領の任期切れまで、この流れは続きそうだ。
米政権がまず動いたのがイランに対してだった。イランは豊富な
石油、天然ガスなどを有する「湾岸の資源大国」。ハタミ大統領率
いる改革派が総選挙で勝利してわずか約一カ月後の今月十七日、オ
ルブライト国務長官がじゅうたん、キャビア、ピスタチオなどイラ
ンの特産品の輸入解禁を発表した。
国務長官は演説で「イランは極めて重要な国。今後お互いの『不
信の壁』を取り払う努力を続けていきたい」と述べ、関係改善が米
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国にとって大きな国益であることを隠さなかった。
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03/27 14:56 制裁解除 外信54 #02
米国にこうした措置を取らせたきっかけは、英・オランダの国際
石油資本ロイヤル・ダッチ・シェルが一九九九年十一月、国営イラ
ン石油公社との間で結んだ総額八億ドルのペルシャ湾の大型油田開
発契約とみられている。
この後、イタリアやフランスなどの欧州勢に加え、カナダ企業も
発電所など大型プロジェクトを次々と受注、「焦燥感にとらわれた
米国の石油業界がクリントン政権に圧力をかけた」(外交筋)とい
うのだ。
さらに国務省は二十五日、リビアへの渡航禁止措置見直しを模索
するため、リビア国内の治安状況についての調査団を派遣した。
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03/27 14:57 制裁解除 外信54 #03
国務省当局者は「制裁解除とは直接関係ない」と説明したが、ワ
シントンの情勢に詳しい外交筋は「米国がリビアでの石油ビジネス
に乗り遅れまいとする動きの第一歩だ」と分析している。
約四十年間にわたって対立を続けているキューバのカストロ政権
との関係も変わりつつあるようだ。両国間の外交問題に発展したキ
ューバ人少年、エリアン・ゴンサレス君の送還問題でも、米政府は
終始送還支持の姿勢を崩さなかった。
上院外交委員会も二十三日、キューバなどへの食料品と医薬品の
輸出拡大を容認する法案を可決し、キューバ制裁緩和の環境は整い
つつある。
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[2000-03-27-14:57]
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03/27 14:57 制裁解除 外信54 #04
クリントン政権の今後の外交方針について、ある議会スタッフは
「イラン・リビア制裁強化法などの制約があるため、石油取引に関
する制裁解除までそう簡単に進むとは考えにくい」としているが、
対イラン投資に乗り出した外国企業に対して同法に基づく制裁措置
をいまだに発動していないのも事実だ。
同スタッフは「流れはできつつある。大統領周辺は、企業の意向
も配慮しながら積み残した課題を任期終了までに片付けてしまおう
としているのではないか」と指摘している。(ワシントン共同=近
沢守康)
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