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ナチ支配下のオーストリアでユダヤ人が不法に奪われた美術品や不動産などの財産は、現在の価値で総額100億ドル以上に相当する。世界ユダヤ人会議(WJC)がこのほど、スロバキアの首都ブラチスラバで開かれた欧州ユダヤ教指導者の会議で、発表した。
オーストリアでは今年2月、右翼政党自由党が加わった新政権発足にあたり、シュッセル首相と、自由党党首(当時)のハイダー氏が、ナチス併合時代の責任を受け止め、過去を自己批判的に追及するなどとした宣言に署名。略奪財産の返還や補償問題にも前向きに取り組むとしているが、今回の発表で、残された問題の大きさが改めて浮き彫りになった。
WJCによると、米国務省が1953年に作成した機密文書に、接収品や財産の細かな項目が掲げられていた。
この会議は当初、ウィーンで開かれる予定だったが、右翼参加政権の発足に抗議する形で隣国スロバキアに会場を移していた。
(13:01)