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03/11 01:01 朝: ◇オウム系会社が警視庁のソフトも 覆面パトのデータ渡す◇
朝日新聞ニュース速報
省庁や大手企業のコンピューターのソフト開発を請け負っていたオウム真理教(アレフに改称)系のソフト開発会社が、警視庁発注の「警察車両管理システム」の開発も受注していたことが10日、警視庁公安部の調べでわかった。公安部は「情報漏れなどの実害はなかった」としている。ほかにも自治省所管の団体や日本経済新聞、共同通信などの報道機関、大手造船会社など約50の企業・団体のソフトの修正や開発を受注していたことが新たに分かり、教団系会社がシステム開発を請け負っていた企業や団体は合わせて約140に上った。
警視庁のシステムは、パトカーや特殊車両をはじめ警視庁が使う全車両約5000台の車種、ナンバー、車検期限、契約保険会社などのデータを入力し、保険の更新などの管理に使っている。1997年10月、警視庁が日本アイ・ビー・エム(IBM、本社・東京都港区)に約1100万円で発注。別の開発会社2社を経て、葛飾区にあった教団系会社「ヴァンクール」が200万円で受注していた。
警視庁はテスト入力用として延べ1万件分のデータをIBMの担
当者に渡していた。大半は廃車になったものだったが、115台は実際に使われている車のデータだった。うち63台は警察車両であることを伏せて使う「覆面パトカー」などだった。
警視庁公安部は98年2月、ヴァンクールが受注した事実をつかみ、総務部情報管理課が同社を開発から外し、システムを破棄したうえで、新たなものに入れ替えていた。警視庁は覆面パトカー全部のナンバーも変えた。
ヴァンクールは97年6月に「ビックストーン」から商号変更され、98年5月に「松風プランニング」と改称した。当時の社員は約20人で、役員に出家信徒が含まれていたとみられる。
関係者によると、ソフト開発業界はプログラマーが慢性的に足りず、大手会社が元請けになっても仕事は次々と下請けに出されることが多いという。
教団系会社が下請けに入っていたことについて警視庁幹部は「見抜けなかったことは恥ずかしい」と話している。また、元請けのIBMや下請けの2社は「ヴァンクールが教団関連会社とは知らなかった」と説明している。
一方、自治省所管の地方職員共済組合(東京都千代田区)では、会計ソフトの修正の一部を「松風プランニング」が受注していた。同組合は東京都を除く地方公務員約38万6000人や年金受給者約25万人の個人データを持っているが、データ入力は委託していなかったという。
また、共同通信は海外の通信社からの配信を自社の書式に合わせるシステム、日本経済新聞は通信社配信の記事を掲載するシステムの一部をそれぞれ、ヴァンクールが受注していた。
[2000-03-11-01:01]
03/11 00:21 毎: <オウム真理教>ソフト開発 「首都警察」まで浸食=替
毎日新聞ニュース速報
オウム真理教(アレフに改称)のコンピューターソフト開発は「首都警察」まで浸食していた。教団関連会社による警視庁の車両管理システム開発の受注とデータ流出問題。捜査車両まで教団側に把握されていた疑いもある。10日会見した同庁の安部三朗情報管理課長は「認識の甘さがあったと深く反省しています」と当惑の表情を見せた。ソフトの情報管理の危うさがまた、浮かび上がった。
情報管理課によると、車両管理システムは日本IBMが1997年10月、1137万円で受注した。大分市のソフト開発会社が日本IBMとの共同開発で700万円で請け負い、さらに都内のソフト開発会社が359万5000円、孫請けの教団関連会社ヴァンクール(東京都足立区)が200万円で請け負っていた。
ヴァ社の受注は全システムの1割にも満たない。開発代金が実際にヴァ社に支払われたかは確認されていない。
また、警視庁が発注時に渡したテストデータは、ソフトを実際に動かしてみるために必要。所属、ナンバー、車種、車検や自動車保険の更新時期、故障の履歴など内容は多岐に渡っている。日本IBMから下請けに渡す際、データに変更が加わるが、すべてが疑似データに変換されていたかは不明だ。
警視庁は複雑な取引関係があり、事前のチェックが行き届かなかったという。公安部からの情報で納入前に事実をつかみ、ソフトは再構築したものの、データの一部が流出する結果になった。この中には使用中の警察車両のデータが含まれていた可能性も残っている。
情報管理課では教団関連会社への発注が分かった98年2月以降、下請け会社に関する資料提出などを求めるように契約条項を改めている。また、この段階で事実を発表しなかったことについて、同課は「発覚直後に必要な措置を取り実害がなったため、公表しなかった」としている。公安部は「当時のことに関する申し送りがなかった。適切に処理されたためだろうと思う。当時、限られた人間で処理したうえ、そのころの担当者がいないため、押収資料の分析が済むまで判らなかった」と説明している。
警察幹部は「外国のスパイ組織などが同様の手法で官公庁や基幹産業などを対象に情報収集活動を行う可能性もある。ソフト自体に侵入可能な仕組みを組み込むことも可能だ。警視庁もかかわっていたことは恥ずかしいが、これを教訓にすべき」と徹底した危機管理体制の必要性を訴えた。
日本IBMは「下請けの会社が知らない間に教団関連の会社に業務を再委託していた。(このトラブル以降は)外注先に関して管理の行き届くように注意するようにしている」と話している。
また、共同通信社は97年夏、外国通信社の配信記事を同社のシステムに取り込む「外電受信電子化システム」の開発の一部をヴァ社が請け負った。共同通信社法務室によると、大手電機会社にこのソフト開発を委託。電機会社はソフトのシステムの設計図を作成したうえで、一部の開発業務をソフト会社に委託した。このソフト会社がさらにヴァ社に業務を委託していた。ソフトは98年11月に導入されたが、直後に元請けの電機会社がヴァ社が教団関連会社であることに気付き、同社に委託した業務内容をチェックした。ソフトに問題はなく、データ流出などもなかったという。
共同通信社には今月2日、電機会社から初めてヴァ社が開発に関与したことを連絡してきた。共同通信社は「業務には影響はないが電機会社には不本意だと抗議した」と話している。
一方、資金回送システムを発注した地方職員共済組合は、東京都を除く全国46の道府県職員約36万人が加入する組織。同組合管理課によると、98年5月、会計システム更新のためソフト開発会社(台東区)に5000万円で発注し、昨年3月に納入されたシステムの一部だった。組合支部から本部に送金する際の「帳票類の様式」のソフトで、同社が98年11月にオウム関連の「松風プランニング」(千代田区)に下請け発注していた。
組合側はオウム関連企業に外注されていたことは知らなかった。組合員の個人
データなどを提供することはなかったとはいえ、担当者は「取り引き業者選定は一層厳密にしたい」と話した。
[2000-03-11-00:21]
03/10 20:28 毎: <オウム真理教>警視庁の車両システム受注に驚き 官房長官
毎日新聞ニュース速報
青木幹雄官房長官は10日の記者会見で、オウム真理教が警視庁の車両管理システムの開発を事実上、受注していた問題について「報告を受けて驚いている。(直接の発注先が)一流会社なので、警視庁はおそらく気がつかなかったのだろう。下請けや納入業者にも十分気をつけないならない」と述べた。備品などの発注の際は下請け業者などにも注意を配るよう、各省庁に指示したことも明らかにした。
[2000-03-10-20:28]