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回答先: 新生長銀取締役に、D・ロックフェラー氏就任 投稿者 倉田佳典 日時 2000 年 3 月 04 日 09:53:18:
米リップルウッド・ホールディングスを中心とした投資組合に譲渡された日本長期信用銀行(新生銀行に改称予定)が、昨年6月に破たんし金融整理管財人の管理下にある第二地銀、東京相和銀行(本店・東京都港区)の買収を検討していることが10日明らかになった。関係筋によると、長銀側は、管財人の預金保険機構に非公式の打診を始めた。東京相和の持つ首都圏のリテール(小口金融)店舗網を取り込み、弱点となっている個人向け業務を補完する狙いとみられる。
ただ、東京相和は昨年9月末時点で3816億円の債務超過で、譲渡時には公的資金も含めた損失の穴埋めが不可欠。長銀には約3兆6000億円の公的資金(国民負担)を投じた経緯があり、長銀が東京相和を買収すれば公的資金が上積みされることになるため、反発も予想される。
東京相和の買収には、ほかに外資系投資銀行など複数のグループが名乗りをあげている。東京相和は東京都内を中心に首都圏に101店舗を展開し、全支店に24時間ATM(現金自動受け払い機)を置くなど小口金融に強みを持つ。
一方、長銀は自前の店舗網が24本支店と少ない。今後、従来はほとんど手掛けてこなかった住宅ローンやクレジットカードなど個人向け業務の展開を打ち出しているが、収益源に育てるには、東京相和のような地域に根ざした営業基盤の強化が不可欠となっている。
また、長銀は資金調達の効率化・安定化のため、2002年3月末までに金融債の発行残高を半減し、預金を資金調達の柱とする方針で、預金獲得面からも店舗が不足している。破たんした東京相和なら、買収費用がほとんどかからないとの米国流の合理的な判断も働いたとみられる。
【竹川 正記】
[毎日新聞3月11日] ( 2000-03-11-03:01 )