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回答先: アンボンに夜間外出禁止令 緊急展開部隊を投入へ 投稿者 倉田佳典 日時 19100 年 1 月 01 日 12:31:51:
246 12/30 16:49 憎悪と暴力の連鎖やまず 権力の空白化が背景に
「戦う以外に解決策はない」。イスラム教徒とキリスト教徒の抗
争で死者が八百人を超えたインドネシア・マルク州の州都アンボン
を抗争発生以来約十一カ月ぶりに訪れた。ワヒド大統領の訪問の努
力もむなしく両教徒の亀裂は深まるばかりで、止めどない暴力と憎
悪の連鎖が続いていた。
「タクシーは市部まで行けない。ボートに乗り換えてくれ」。ア
ンボンの空港で、運転手はこう言った。空港と、入り江を挟んで対
岸の市部はキリスト教徒が制圧しているが、途中の地区はイスラム
教徒が支配しているためだ。イスラム教徒は陸路で空港に行けない
ため逆にボートで行く。ボートもタクシーも居住区もすべてが二分
され、状況は悪化していた。
一月、イスラム教のレバラン（断食明けの大祭）にささいなけん
かから宗教暴動に発展。クリスマスにイスラム教徒から大報復があ
るとの懸念は現実化し、二十六日以降アンボンで六十人以上が死亡
、在留邦人も巻き込まれ負傷した。
市中心部は炎上、沿岸イスラム居住区にも飛び火した。「解決策
なんかくそ食らえ。イスラム教徒に加担する治安部隊は撤退し、思
い切り戦わせたらいい」。戦闘に参加しようとしたが治安部隊に阻
止され引き揚げてきたキリスト教徒の女子大生アンさんは利発そう
な顔で叫んだ。付近は武装した住民でいっぱいだ。
イスラム教徒側も「戦争には戦争で応じるのみ。キリスト教徒は
和解協定を破りつづけてきた」（最大寺院のアルファタモスク）と
憎悪を隠さない。
アンボンはスハルト元政権まで両教徒が共生する多民族国家の模
範だった。なぜ突然、これほど悪化したのかという疑問に住民たち
は「分からない。中央の政治に絡み混乱を起こす扇動者がいるに違
いない」と答えるだけだ。
住民投票後の東ティモールで起きた人権侵害で前国軍司令官ら将
校に対する責任追及が始まり、これに抵抗する国軍が社会不安を起
こしてワヒド政権をけん制しているという見方だ。
アンボンを訪れていたオーストラリアのノーザン・テリトリー大
のインドネシア史研究者ロス・モファットさんは「植民地時代はキ
リスト教会が住民を抑え、スハルト政権では大統領の存在が重しだ
った。抑圧的な政権の崩壊とともに、うっ積された不満が一気に爆
発したとしか考えられない」と話した。（アンボン共同＝塩沢英一
）
[1999-12-30-16:49]
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