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◆新潟不祥事、処分変更せず
新潟県の女性監禁事件で女性が発見された先月二十八日、特別
監察のため新潟県警を訪問していた中田好昭・関東管区警察局長
(55)が同県警の小林幸二・本部長(51)と温泉旅館で宴席をともに
するなどしていた問題で、警察庁は二十八日、中田局長に対する懲
戒処分は行わず、きょう二十九日付で辞職させるという当初の方針を
変更しないことを最終的に決めた。同日夕、開かれた国家公安委員
会で了承を得たもので、小林本部長の減給処分と辞職に関しても見
直しを見送った。中田局長については監察業務に参加していなかっ
た点など新事実も浮上したが、同庁では「全体の判断を覆すものでは
ない」と説明している。
この日の国家公安委員会は、保利委員長(自治相)の提案で招集さ
れ、午後五時から約五十分間に渡って開かれた。小林本部長や中田
局長の処分をめぐる同庁の判断に国民の批判が高まる中、改めて同
庁の考え方をただし、同委員会としての考え方を協議するのが目的だ
ったという。
石川重明官房長が記者会見して明らかにしたところによると、同委
員会は、二十六日付で下した小林本部長の減給処分(百分の二十、
一か月)について、減給率が人事院規則上の上限であることなどから
改めて妥当と結論づけた。続いて、中田局長の行動について「監察
責任者として言語道断」としたうえで、辞職させることで責任を求めた
田中長官の判断を全員一致で了承したという。
ただ、今回の事態に対し、同庁から県警に派遣された調査チーム
が、宴席が設けられた事実を把握できなかったことなど、同庁の調査
が不十分だった点や、特別監察の信頼性を損なうような行動があった
点に対しては、席上、厳しい批判が続出。「これを反省材料として今
後に生かさなければならない」との意見が表明されたという。
中田局長については、監察担当者と監察対象者が同席する懇親の
場を設けてはならないとする同庁の指示に背いていたうえ、本来の監
察業務とは別の新潟西港の視察を優先して県警本部の監察に参加
しなかったなどの事実が判明した。
しかし、同庁では、「これまでに判明していた事実と著しく異なるもの
ではなく、当初の判断を覆すような事実ではないと判断した」と説明し
ている。
(2月28日21:04)
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