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パラジウム相場大荒れ、急騰収まらず
東京工業品取引所のパラジウム先物相場がここ1カ月、大混乱となっている。
主産国ロシアの供給難と需要増に加え、投機資金の流入もあって、世界的に価
格上昇が収まらず、取引がほとんど成立しない状況が続いている。資金繰りに
窮する会員商品取引会社も出ており、同取引所は同取引所があっせんする「特
別売買」という救済措置を実施。さらに24日からは初の取引価格凍結に踏み
切った。
同取引所では、今年12月決済もののパラジウム先物取引の終値が、1月下旬
から19営業日続けて高騰した。1月27日の終値1グラム=1542円に対
し、23日は同2363円と、価格は1.5倍以上に跳ね上がった。
このため取引の成立が難しくなり、同取引所は18日、商社などに協力を求め、
資金繰りに窮した一部の会員会社に対する「特別売買」をあっせん。24日か
らは、今年12月決済分までの先物取引の価格を凍結する強行措置に踏み切った。
このまま相場全体が急上昇を続けると、以前の安い価格で先物の売り注文を出
していた会員会社が、決済で巨額の損失を出したり、追加証拠金が手当てでき
ずに資金繰りに行き詰まったりするのを避けるのも狙いとみられる。
しかし、個人投資家からは「先物市場は自己責任を重視するプロの世界。先物
価格の読みを誤った会員会社が一方的に守られるのはおかしい」と、不透明さ
を指摘する声も出ている。飯塚和憲・同取引所専務理事は「一部企業の倒産な
どで市場全体への悪影響がさらに広がるのを防ぐため、やむなく実施した」と
話している。
パラジウムは希少性の高い貴金属で、歯科などの医療用のほか、自動車の排ガ
ス浄化のための触媒などに使われる。同取引所では1994年夏に正式上場し
た。供給の7割近くをロシアに依存していることから、同国の供給状態の変動
で、過去にも価格が乱高下している。(07:11)
http://www.asahi.com/0226/news/business26002.html