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2本足で歩き、遠隔操作で両手足を動かし、イベント会場の道案内をしたり、工場の保守点検などを行う――。通産省工業技術院と本田技研工業、松下電工、川崎重工業、富士通、日立製作所などが1998年度から共同開発を進めてきた「人間協調・共存型ロボット」の基本技術が3月に完成、4月に公開される。2本足のロボット開発は日本が世界をリードしているが、遠隔操作で人間に近い高度な作業を行う技術の開発は初めて。将来的には高齢者や病人の介護などへの応用が期待され、21世紀の新規産業としても注目される。
ロボットは身長約160センチ、体重約100キロで、両手足が動き、頭部にはカメラを内臓、離れた場所で人間が映像を確認しながらロボットの手足を動かす。2本足で障害物を越えたり、両手で物をつかみ持ち上げたりできる。
これまでに国内外で開発されたロボットは移動に車輪や無限軌道を用いるものが大半で、階段の昇降などが困難なため、階段をスロープにするなど室内を改造する必要があった。このため通産省は「将来的にロボットが家庭に入り込み、人間と共存するには2本足が便利で、違和感もない」と、2本足歩行ロボットの開発に力を入れてきた。
今後は、一般の企業や研究機関からアイデアや技術を募りながら、2本足の機能を生かし、どんな分野でロボットを応用できるかを2002年度までに研究する。通産省は「介護などで家庭にロボットが入るのは先の話だが、ロボットには多分野でいろいろな可能性がある」とみており、21世紀初頭の実用化を目指している。
2本足のロボットをめぐっては、本田技研が昨秋から放映しているテレビコマーシャルで、地下鉄の階段を上ってくる2本足のロボットが話題を呼んでいる。これは同社が独自に開発したロボットで、3月に完成するロボットにも同社の技術が取り入れられており、「外観などのイメージはCMのロボットに似ている」(関係者)という。 【川口 雅浩】
[毎日新聞2月21日] ( 2000-02-21-18:51 )
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