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ナスダック・ジャパンの上場基準の最終案明らかに
6月に大阪証券取引所に開設される「ナスダック・ジャパン」市場の上場基準最終案では、上場時に厳しいハードルを設けるより、上場後も成長を続けられるかどうかを問う「米国流」を全面的に採用した。同時に、実際に市場で売買される可能性が高い「浮動株」の概念を取り入れ、流動性を常に確保する方策を打ち出した。これまで企業の最終目標とみなされてきた上場や株式の持ち合いといった日本特有の慣行から脱皮し、「世界標準」の市場を目指すものだ。
最終案のうち、「浮動株」は、役員や持ち株比率が1割以上の大株主が保有する以外の株と定義。これに株価を乗じた「浮動株時価総額」とともに、申請から上場中まで一貫して上場企業を監視する態勢をとる。上場した後も経営努力を続けない限り、退場を求められるルールは、日米の大学の違いにも似ている。
取引先企業や金融機関と持ち合いをして安定化を図ることができなくなるだけでなく、株価が下落しても上場廃止対象になるようにした。「成長性がある企業しか入れない仕組みをつくることで、結果的に市場全体が成長性をもつようにし、投資家を誘致する。この基準こそが米ナスダックの成長の秘けつ」(大証幹部)。
新興企業向けの「グロース」の基準を見ても、東京証券取引所のマザーズより厳しくした。しかし、孫正義・ソフトバンク社長は「国内の既存市場は次々に条件を重ねてふるいにかける形式なのに対し、ナスダック・ジャパンはどれか1つでも満たせばいい、という考えにたっている」と、1つでも特長があればすくい上げようとするナスダック流の違いを強調している。(23:20)
http://www.asahi.com/0218/news/business18027.html