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◆IT革命が沖縄サミットの主要議題に
七月の沖縄サミット(主要国首脳会議)で、「情報技術(IT)革命」をめぐる問題が主要議題に取り上げられることが、十二日までに固まった。パソコンやインターネットの急速な普及により二十一世紀の国際社会は国境を超えた様々な活動が飛躍的に広がることが予想され、新たな国際ルールづくりが急務であるうえ、地域や世代、所得などの違いによってコンピューターから受ける恩恵に格差が生じる「デジタル・デバイド(分割)」の問題が表面化しているためだ。一月下旬に京都で開かれた主要八か国(G8)シェルパ(首脳個人代表)会合で、こうした問題を取り上げる方針で一致した。
小渕首相は、沖縄サミットが二〇〇〇年という節目の年に行われることから、二十一世紀に向けた「明るく希望に満ちたメッセージを発するサミットにしたい」としており、IT革命の無限の可能性を肯定的にうたい上げることで、前向きな姿勢をアピールする狙いがある。政府内では、沖縄サミットでIT革命に関する何らかの声明文をまとめることも検討している。
具体的には、<1>国際的な連携によるハッカー対策の強化など健全なコンピュータ社会に向けた国際協調<2>インターネットを通じた学校・大学間の連結による国際授業や単位の相互認定<3>国際的な電子認証(本人確認)制度の確立による電子商取引の拡充<4>コンピューターよるマネーロンダリング(資金洗浄)の防止・監視<5>プライバシーや著作権の保護――などについて協議を進める方針だ。
一方、「デジタル・デバイド」は、先進国と途上国、あるいは高齢者と若者、高所得者層と低所得者層などで情報通信技術の飛躍的進展から得られる恩恵を享受する機会などで格差が拡大する懸念があるという考え方だ。クリントン米大統領も一月二十七日の一般教書演説で、「成功の機会をつかむには、コンピューターという新しい道具を使いこなすことが欠かせなくなった。こうした道具を持つ人、持たない人の『デジタル・デバイド』を埋めなければならない」と強調した。
一月のシェルパ会合を受け、G8各国は、次回のシェルパ会合に各国が抱える問題点の現状を持ち寄り、国際的な対応策について検討する。
(2月12日19:48)