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02/05 16:10 背後に金鉱利権と権力闘争 北マルク州の宗教抗争 外信64 #01
昨年末から宗教抗争が激化したインドネシア・北マルク州。イス
ラム教徒とキリスト教徒の争いの背後には、金鉱利権や民主化の中
で加速する権力闘争、さらには国軍保守派の影までが見え隠れする
。両教徒はそれぞれ「相手が殺りくを扇動した」と主張。不信と暴
力の連鎖に歯止めがかかる気配はない。
世界的な香料生産地として知られたマルク諸島で、宗教抗争が勃
発(ぼっぱつ)したのは昨年初め。南部アンボンで付いた火種は、
夏に北マルク州最大の島ハルマヘラのカオに飛び火した。
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02/05 16:10 背後に金 外信64 #02
十一月には州都のあるテルナテ島にも波及、イスラム教徒が、地
元スルタン(王)率いる両教徒混成軍を王宮に追いつめ、キリスト
教徒の大半を島から追い出した。ハルマヘラ島トベロ周辺では年末
に、キリスト教徒がイスラム教徒の多くを島から追い立てた。数日
間で二千人以上が殺されたとされる。
テルナテの民間ラジオのアスガル報道局長(30)は単なる宗教
対立ではないと強調した。「カオのイスラム教徒は一九七五年のマ
キアン火山噴火を逃れてきた移住民。二年前、付近に金鉱が見つか
り、先住のキリスト教徒と土地争いが起きた」
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02/05 16:10 背後に金 外信64 #03
昨年九月、マルク州は南北に分割され、今年六月に州議会選挙と
議員による知事選が行われる。「スルタンがキリスト教徒側と結ん
で、知事の座と金鉱利権を狙い、マキアン移住民に連帯するイスラ
ム教徒勢力と反目した」と報道局長は分析する。
こうした確執を殺りくに発展させたのが「プロボカトール(挑発
者)」。テルナテで昨年十月末にプロボカトールが配ったという文
書は「アンボン事件の報復として、キリストの名において北マルク
州のイスラム教徒を攻撃する。イスラム教徒をハルマヘラから追放
する」と宣言していた。
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02/05 16:10 背後に金 外信64 #04
イスラム教徒は「文書の通りに事件が起きた。プロボカトールは
キリスト教徒に違いない」と言い、キリスト教徒は「イスラム教徒
のでっち上げだ」と反論。ジャカルタの外交筋は、ワヒド現政権と
暗闘を続ける国軍保守派が背後で抗争を扇動している、と指摘する
。抗争は政権をけん制するカードだという。
「ワヒド大統領はイスラム教の指導者で、アミン・ライス国民協
議会議長は聖戦を扇動している。インドネシアがイスラム国家にな
るなら、マルク諸島、スラウェシ島、イリアンジャヤ州のキリスト
教徒が団結して独立した方がいい」
スラウェシ島マナドで、キリスト教徒避難民の国軍兵士が真顔で
話した。周りの避難民も「欧州諸国や日本が武器を援助してくれれ
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ば、独立のために戦う」と口をそろえた。(テルナテ共同=米元文
秋)
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