Tweet |
▼「一部将軍が謀議」とインドネシア大統領が発言
4日付のインドネシア各紙によると、ワヒド大統領は3日、訪問先のオランダで記者団に「2日夜にジャカルタで、一部の将軍たちが秘密会議を開いたことを知っている」と語り、国軍司令官と警察長官に治安確保に努めるよう命じたことを明らかにした。東ティモール騒乱事件の調査結果が公表され、当時の国軍司令官だったウィラント政治・治安担当調整相は辞任すべきだと大統領が語ったことで、国軍内の守旧派がクーデターを起こすのではないかとのうわさが広がっている。
大統領は「私は状況をすべて掌握している。彼ら(将軍)の目的も知っている。行動に気を付けろ」と警告した。さらにイスラム教徒の武装勢力がデモを計画していると指摘し「背後に『汚れた手』がある」と述べた。
ウィドド国軍司令官は4日、将軍の秘密会議について「国軍の組織内で、そのような会議が私の把握なしにできるはずはない」と語った。また、ティアスノ陸軍参謀長は同日「陸軍組織としてクーデターを起こすことはないと保証する」としながらも「状況は非常に不透明で危険だ。うわさに惑わされないでほしい」と呼びかけた。
ウィラント氏は3日から4日夕まで公の場に姿を見せていない。ユウォノ・スダルソノ国防相は「3日朝にウィラント氏と会って、大統領からの辞任勧告を伝えた」と4日明らかにした。国防相によると、ウィラント氏は大統領の帰国を待つ意向だという。アクバル・タンジュン国会議長は「辞任すべきだが、強制はよくない」と述べている。
国軍に詳しいインドネシア科学院のインドリア・サメゴ研究員は「国軍内でウィラント支持者は多くない。クーデターの可能性は少ない。だがウィラント氏が辞任しないことで不測の事態を招く恐れがある。彼は国民のために辞職すべきだ」と指摘した。
(21:42)