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徳川埋蔵金、地主が土地封印宣言
ロマンはロマンのままに…
山梨県増穂町の徳川埋蔵金騒動で、土地を所有する横浜 [山梨県増穂町]
市内の会社社長が、夕刊フジの取材に対し、「もう2度と
あの土地は掘らせない」と発掘の“永久封印”を宣言した。小判1枚を発
見したと発表した河原次郎氏(76)と、支援グループの米(つきよね)
埋蔵金発掘委員会は「より大掛かりな掘削を行いたい」としているがこれ
でジ・エンド。限りなく“クロ”に近い埋蔵金騒動は決着を見ないまま長
い眠りにつきそうだ。
「私は実行委員会なんか存じ上げないし、メンバーにも入っていない。
はっきり言って迷惑。2度と再び彼らと掘削工事契約を結ぶことはないで
しょう」
こう断言する横浜市内の会社社長は約15年前に友人の紹介で問題の土
地を購入した。現在、6分の4の割合で所有する。土地取得の際には、
「当地に埋蔵金伝説があることは知らなかった」という。
そんな社長のもとに、発掘委員会の代表となっている菊池良光氏が訪れ
てきたのは昨年9月のこと。社長はそれから約1カ月にわたって、長崎か
ら出てきた菊池氏に「しっかりした大きなスポンサーがついているので資
金力はある」と口説かれ、10月には熱意にほだされて、2カ月間の掘削
工事契約を結んだ。
社長によると、平成元年から3年間、不動産業者がパワーショベルで大
規模に発掘しており、10年ぶりの掘削許可。契約期間満了目前の12月
10日に菊池氏から「小判が見つかった」との連絡があり、同20日に契
約は終了した。
「その段階で契約を更新しないことは伝えてある。小判について『本当
に正しいのか?』と聞き、小判1枚で記者会見するのはいかがなものか、
と地主の意見も伝えた。それがこんな騒ぎになってしまって」
小判発見でも工事を凍結する理由は「私は99.9%ないと思ってい
る。真に受けていれば、とっくに自分で掘っている。平和に暮らしていた
のに、彼らのために周囲が騒がしくなるのは迷惑」という考えからだが、
ほかにもある。
「ご存じのように、近所から畑を荒らされたという話を聞いています
し、ほかにも地元に多大な迷惑をかけているようなので…」
多大な迷惑とは、建設業者へのボーリング工事代金と、地元宿泊施設に
泊まっていた工事関係者の飲食宿泊代金の未払いのこと。あれだけ強調し
ていた菊池氏の資金繰りが厳しくなったためとみられる。
「ロマンはロマンのままにしておいた方がいい。あとは整地して周囲の
鉄さくを取り除いて、返してもらうだけ」と社長の決心は揺るがない。
一方、幕臣・小栗上野介の家臣が残したとされる遺言状を信じて親子2
代にわたり埋蔵金探しをしている河原氏は「残りの6分の2は私の妹2人
が所有しているので、こちらにも掘る権利はある。埋蔵金が本物だと信じ
る以外ない」とあくまで発掘続行の構えだ。
だが、大地主である会社社長の「封印宣言」が解かれる見通しはなく、
徳川埋蔵金が“伝説”に戻るのは避けられない情勢だ。