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IBMがLinuxをハードウェア計画の中核に
By Reuters/日本語版 喜多智栄子
Mon 10 Jan 2000 7:15 PT
ニューヨーク発――米IBMは10日(米国時間)、Linuxをコンピュー
ター・ハードウェア戦略の中核に据えるという新たなステップについ
て発表する。大手コンピューター・メーカーによる代替オペレーティ
ング・システム(OS)採用としては、これまでで最大の取り組みにな
る。
IBMサーバー・グループの責任者、サム・パルミザーノは7日のイン
タビューで、昨年この方向性でIBMが断片的に行なった取り組みと合
わせて、IBMの主なコンピューター製品ラインをすべてLinux対応にす
る努力に参加していると述べた。
IBMは自社事業の旗印として、アービング・ウラドウスキー=バー
ガーが率いるハードウェア・ビジネス・グループ内に新たな部門を作
ることを発表する予定だ。ウラドウスキー=バーガーは、IBMのイン
ターネット・ビジネス部門を立ち上げて同社の「e-ビジネス」戦略を
築いてきた。
新部門は、UNIXおよびLinuxソフトウェア事業すべて、先進のコン
ピューター設計、IBMの次世代インターネット戦略の確立を担当す
る。
パルミザーノは、同部門の責任者として、パソコンメーカー最大手
であるIBMのコンピューター・ハードウェアの売上の大半を担う部門
の責任者として、さらには明らかに最高経営責任者(CEO)ルー・ガー
スナーの後継者として7日、この計画を書面でIBMの上級幹部に発表し
た。
「わが社は現在、テクノロジーの世界が新たに重要な移行を果たそ
うとしている時期だと考えている」とパルミザーノは述べている。
「次世代のe-ビジネスでは、異種プラットフォーム間での相互運用性
にオープンスタンダードを求める声がますます高まっていくだろう」
パルミザーノは、異なる顧客の要望――パソコンからメインフレー
ム・コンピューターまで――に応じるためにIBMが製造しなければな
らない多様なコンピューター・システムについて、さらにさまざまな
コンピューター・システムを統一する役割を果たすLinuxの力量につ
いて述べた。
IBMのサーバーを全面的にLinux対応にするという発展中の戦略に関
するインタビュー中でパルミザーノは、「実質的にすべてのプラット
フォームをLinux対応にする」と述べた。
Linuxは、 多くの企業で中心的な業務をになう高性能のコンピュー
ターを制御するために広く利用されたソフトウェア、UNIX OSの現代
版だ。しかし、Linuxがデスクトップ型コンピューターを動かすのに
適しているかどうかには疑問の余地がある。それでもLinuxは昨年、
マイクロソフトの支配的なソフトウェアWindowsの代替ソフトウェア
として、特に最新のインターネット業務のタスクを実行する際に広く
主流として受け入れられた。
パルミザーノは今後数週間のうちに、サーバー・グループ内に新た
に専門の営業部門を設けて、UNIXおよびLinux製品の統合と販売推進
を行なうという計画もある、と述べた。IBMでは、Linuxが業務用コン
ピューターで動作する信頼性を高めるため、主力となるコンピュー
ター・システム向けに開発した主要プログラミング・コードを、オー
プンソースのソフトウェア開発コミュニティに提供している、とウラ
ドウスキー=バーガーは7日のインタビューで述べた。
アナリストたちは、IBMが他のどの大手コンピューター・メーカー
よりも強力にLinuxを支援しており、高まりを見せるLinux人気によっ
て、UNIXコンピューターのメーカーとしては最大手の米サン・マイク
ロシステムズなど、競争相手のUNIX専売戦略を侵蝕する可能性があ
る、と考えている。
市場調査会社、米インターナショナル・データ(IDC:本社マサチ
ューセッツ州フレーミングハム)のアナリスト、ダン・クズネツキー
は次のように語っている。IBMは『Netfinity』パソコンサーバーおよ
びメインフレーム級のコンピューターをLinux対応にし、『AIX』バー
ジョンのUNIXを他のシステム、中でもとりわけLinuxとの運用性を高
めるプロジェクトに取り組んでいるという。
「主要ハードウェアメーカーの中でも、主要事業計画にLinuxを導
入したことでIBMは最も突出している」とクズネツキー。「この計画
では、LinuxとUNIXを1つにまとめるということだ」と、クズネツキー
はIBMのここ最近の動向について語った。
この計画は、米コンパックコンピュータや米ヒューレット・パッ
カード(HP)など、Linuxのサポートが製品ラインによっていまだに断
片的な状態にある他のコンピューター・メーカーと一線を画してい
る、とボストンのアバディーン・リサーチのアナリスト、ビル・クレ
イブルックは語った。クレイブルックも、IBMからこの計画の説明を
受けている。
パルミザーノは、IBMが「オープンシステム」――独立したプログ
ラマーの増加しつつある集団がソフトウェア機能を設計する――の採
用度合を高めているのは、IBMのコンピューターを変容を遂げる業界
により対応できるようにするための複数年にわたる事業の一部だ、と
述べた。
さらに、IBMのコンピューター・ハードウェア部門の動向は、同社
のコンピューター・ハードウェア事業の鈍い成長に活気を与えるとい
う、より大掛かりな努力の一環だ。同部門は、およそ900億ドルとい
うIBMの年間売上の約半分を占めている。
IBMはメインフレーム・コンピューター『S/390』でLinuxを動作さ
せる計画に取り組んできた。S/390は非常に高速で信頼性が高く高価
だ。Linuxの中核、「カーネル」の最新版には、IBMのソフトウェアも
盛り込まれている、と米レッドハットの社員であり、Linuxプロジェ
クトの副指揮官でもあるアラン・コックスは述べた。
「今ではLinuxをIBMのメインフレームS/390で動かすことができ
る」とコックスは自分のウェブサイトに記載しており、IBMの事業が
プログラマーのライナス・ベスパタスが行なった作業と重複すると指
摘している。「残念ながらIBMの秘密主義が、相当量の重複作業を生
み出すことになった」と、コックスは説明している。
(CNETニュース・コムのスティーブン・シャンクランドがこの記事
に
協力した)
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