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オウム分裂!荒木広報担当が失踪
上祐出所も教団崩壊寸前
オウム真理教の「ああ言えば上祐」こと上祐史浩受刑者(36)=写真左=
が、年の瀬も押し迫った今月29日に出所してくる。追っかけギャルまで現れた
カリスマ大幹部の復活で、死んだふりをしている教団も再び活発化…と思いき
や、上祐受刑者の受け入れをめぐり、教団の意思決定機関である長老部内で過激
派と穏健派の実権争いが顕在化。その長老部と大げんかをした荒木浩・広報部副
部長(31)=同右=が行方不明になっているという。27日の「オウム新法」
施行を前に、すでに教団は崩壊寸前?
広島刑務所に収監されている上祐受刑者。関係者は近況をこう説明する。
「いまの上祐は、丸坊主にされてテレビに出ていたころとは容ぼうも印象もず
いぶん違う。受刑態度が良くなくて、独房でせっせと袋張りに励んでますよ。刑
期満了(28日)まであとわずかだから指折り数えてるんじゃないか」
その出所方法だが、法務省関係者によると、同省矯正局が広島刑務所以外の刑
務所から出す方向で検討しているという。
「今回の出所はマスコミ各社が注目していて、いまいる広島刑務所から出所さ
せると、大混乱を招く恐れがある。そのため、直前に法務省の車でほかの刑務所
に移送し、そこから出す方向で場所の選定を進めているところだ。出所場所の決
定には、上祐受刑者本人の希望は聞かない」(法務省関係者)
出所後の居場所については、教団内でもはっきりしていないが、「上祐受刑者
が服役中に養子縁組した信者がいま、名古屋市内に新居を建設中で、ここに住む
のではないかといわれている」(教団関係者)。
上祐受刑者は出所後、教団に戻ることを文書などですでに“宣言”。教団への
復帰は間違いないようなのだが、肝心の教団は「人・もの・カネ」のあらゆる面
で崩壊状態に陥っているようなのだ。
まず、教団では今年9月以降、東京都足立区や豊島区内の施設から退去。新た
な拠点として、群馬県藤岡市の元印刷工場が浮上したが、前橋地裁が今月10日
に20日以内の退去命令を出し、教団は新たに信者の収容施設を探さなければい
けない状況になっている。
カネの面でも、「27日に施行されるオウム新法対策として、都内のパソコン
ショップ3店を前日の26日に閉店させる動きがみられる。教団側も、新法の施
行で真っ先に当局からメスを入れられるのは重要な資金源のパソコンショップと
分かっているようだ」(公安関係者)と、かなり追い込まれた状況に。
信者の動きをみると、現在合議で教団を運営している長老部が、殺害を肯定す
る教義「タントラ・ヴァジラヤーナ」への考え方の違いから「過激派」と「穏健
派」に分裂。長老部メンバーよりステージ(地位)が高い「正大師」の上祐受刑
者の出所が近づき、「反上祐」の旗色を強める幹部もおり、意思統一が難しく
なっているという。
「関西、中京の信者に影響力が大きい長老部メンバーの二ノ宮耕一幹部
(32)は『反上祐』の急先ぽう。上祐受け入れにはかなりの混乱が予想され
る」(公安関係者)
かりに教団復帰を果たしたとしても、「元服役囚というマイナスイメージが強
いため、表舞台に出さずにもっぱら内部から信者の引き締め役になるのではない
か」との説が大勢だ。
一方、教団関係者によると、教団の広報活動を一手に担っている荒木広報部副
部長が、12月初めごろから“行方不明”になっているという。
荒木副部長の所在が分からなくなったのは、教団が「教団正式見解」を公表し
た今月1日前後。教団はこの見解で、教団関係者の一部が一連の事件に関与して
いたことを初めて認め、被害者に謝罪した。
「(教団の意思決定機関である)見解を公表する前後に、荒木さんが長老部の
幹部と激しい言い争いをして、それ以来、姿を見なくなってしまった。おそらく
見解の内容か公表方法で意見の食い違いがあったのではないだろうか」(教団関
係者)
そう言われると、見解の公表では、村岡達子代表代行(49)と長老部の杉浦
実幹部(38)の2人が日本テレビの報道番組に出演、荒木副部長の姿はどこに
も見えなかった。教団はこれに先立つ9月29日、対外活動を休止する「休眠宣
言」を発表したが、その際の会見には村岡代表代行と荒木副部長が出席してい
る。
教団は一足早く、深刻な「2000年問題」に直面しているようだ。