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塩谷町に平和博物館 来年1月開館
第二次世界大戦中に百五十万人以上のユダヤ人が虐殺されたポーランド・アウシュヴィッツ強制収容所の歴史的事実を伝えるため、その犠牲者の遺品や記録写真などを集めた「いのちと平和の博物館『アウシュヴィッツ・ミュージアム』」が塩谷町田所に建設され、収容所の解放記念日である来年一月二十七日に開館する。「アウシュヴィッツの遺品・資料」を公式に表記して展示できる博物館は国内で初めて。
同博物館建設は、世界遺産のポーランド国立オシフィエンチム(アウシュヴィッツ)博物館が所蔵する遺品の巡回展を、一九八八年以来、全国で百十回開催してきた青木進々(しんしん)さん(いのちと平和の博物館準備室理事)らが十年前から進めてきた。
これまで全国で数カ所が建設候補地に上がったが、環境や条件などが折り合わず、実現に至らずにきた。今回、塩谷町田所に建設が決まったのは、巡回展を宇都宮市など県内で開いた際に協力したとちぎYMCA理事長の船津祥さんの紹介。
博物館は、約二万平方メートルの敷地に土地の持ち主である住宅建築会社が建てていた作業員宿舎用の二階建てプレハブ五棟を再利用。今年六月から改装を始め、作業には関東一円から集まった約八十人のボランティアが当たった。
総床面積約八百六十平方メートルの施設には、収容所の囚人服や毛髪で織った布などポーランド国立博物館から特例として貸与された遺品や記録写真などが展示される。
青木さんは「民族差別の史上最悪の結果として表現できる収容所の歴史的事実を、この博物館を通して多くの人に伝えていきたい」と話している。入館料は一般千円、中高生七百円、小学生五百円。問い合わせは博物館設立準備室、電話0289・63・5252。