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読売新聞ニュース速報 YOMIURIW
米国立衛生研、ヒト胚性幹細胞研究を公認
【ワシントン1日=大塚隆一】米国立衛生研究所(NIH)は一日、人間の胚(はい
)から作り出せる胚性幹細胞(ES細胞)の研究を、一定の条件付きで公認し、研究資
金を支出する指針案を発表した。
ES細胞は人間の様々な組織に分化する能力があり、「万能細胞」とも呼ばれる。N
IHはその研究が進めば、移植用の臓器や組織を作り出せるようになり、心臓病や糖尿
病、パーキンソン病などの新しい治療法の開発にもつながると強調している。
指針案は六十日間の公示期間を設け、国民の意見を聴取したうえで正式決定される予
定だが、初期の胎児である人間の胚を破壊することにもなるES細胞の研究に、生命倫
理面からの反発も強く、論議を呼びそうだ。
指針案によると、公認するのは、体外受精で作った複数の胚のうち余ったものから民
間の研究費で作られたES細胞を使う研究。ただし、クローンづくりにつながる研究や
、ES細胞を動物の胚と混ぜることは禁じている。
米国では、民間の研究所や医療機関ではすでにES細胞の研究が始まっているが、政
府による助成はなく、国の予算への依存度が大きい大学では、本格的な研究は行われて
いない。
[1999-12-02-13:00]