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99/10/21 10:57
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核燃料の再転換、7割海外 臨界事故で国内処理困難に
茨城県東海村の燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の臨界事故の影
響で、国内の原発運転に不可欠な核燃料の再転換処理のうち、海外施設依存割
合が大幅に増えて七割以上に達する見通しであることが二十一日、明らかにな
った。
再転換は、濃縮ウランを二酸化ウラン粉末に変える核燃料製造上の重要な過
程。海外依存度急上昇は、JCOの操業再開が見込めず、各電力会社が米国を
中心とした海外プラントへの処理委託に踏み切るため。これまで政府の国産化
路線から七割近くが国内処理されていたが、国内、海外比率が逆転してしまい
、核燃料サイクルを柱とする国のエネルギー政策に大きな影響を及ぼし始めた
と言える。
国内の再転換事業者は、現在、JCOと三菱原子燃料の二社だけ。
国内原発で一年間に使われるウラン燃料(ウラン量換算)は九百トン近く。
JCOはこのうち年間約三百六十トンを再転換処理した後、沸騰水型軽水炉(
BWR)や加圧水型軽水炉(PWR)向けに燃料を成型加工する国内二社に引
き渡していた。三菱原子燃料はPWR向けに年間二百数十トンのウラン燃料を
再転換している。一年で使用されるウラン燃料のうち、残り三百トン近くは、
米ゼネラル・エレクトリック(GE)系のJCC(米国)や、独シーメンス系
のSPC(同)などの海外プラントが再転換処理している。