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★ 以下、読売新聞より転載
http://www.yomiuri.co.jp/look.htm
◆夜間外出禁止令後も暴走収まらず
【シアトル30日=国松徹】世界貿易機関(WTO)閣僚会議の会場となっている米ワシントン州シアトル市が三十日夕、非常事態を宣言して会議場の周辺一帯を取り巻く地域に夜間外出禁止令を発令したが、一部のNGO(民間活動団体)メンバーは夜間に入っても飲食店に乱入して商品を窓から投げ出したり、店舗の一部施設を破壊したりしている。このため、同市当局の要請を受けた州兵が市内に入って鎮圧を始めた。
市内は、外出禁止令が発令された午後七時以降、解除予定の翌一日午前七時半まで公共機関の交通が止まったほか、許可を受けた車両以外の車の通行が禁止されている。市民に対しては自宅にとどまるように要請したほか、会議関係者などもホテルの自室から出ないように求めている。
三十日のNGOの抗議活動を巡っては合計二十二人の逮捕者が出ている。シアトル市のポール・シェル市長は記者会見で、NGOに対して一日には三十日のような暴力的行為を行わないよう要請したが、一部のNGOは暴徒化する動きを見せており、沈静化するかどうか予断を許さない。
一日未明にはクリントン大統領のシアトル入りも予定されており、同市と連邦政府当局は市内の安全確保に極度に神経質になっている。(12月1日13:57)
◆WTO事務局長がNGOの暴力行為に抗議声明
【シアトル30日=国松徹】世界貿易機関(WTO)のマイク・ムーア事務局長は三十日、一部NGO(民間活動団体)の妨害で閣僚会議の開始が遅れたことを遺憾とする声明を発表した。また、会場に向かっていたコロンビアのマーサ・ラミレス対外貿易相の車がマスクをした数人に囲まれ、窓ガラスをたたかれるなどの暴力的行為を受けたことなどを踏まえ、「暴力は意見の相違を克服する適切な方法ではなく、アメリカの平和的抗議の伝統に反する」として、一部NGOの過激な行動を批判した。(12月1日12:05)
◆米大統領、デモ隊に一定の理解示す
【ワシントン30日=坂元隆】クリントン米大統領は三十日、シアトルでの世界貿易機関(WTO)閣僚会議開催に反対し大規模なデモを繰り広げている環境保護団体などについて、「われわれは、会場の外でデモをしているすべての人たちにも(多角的貿易交渉の)プロセスを開放すべきだ」と述べ、一定の理解を示した。
クリントン大統領は執務室で記者団と会見し、「われわれは、貿易交渉の中における、労働と環境の役割と利益を強化すべきだと思う」と、新ラウンドで児童労働の禁止や環境保全などに基づく新たな貿易ルールを作るべきだとの考えを強調した。その上で、デモ隊も「交渉に参画すべきだ」と述べた。
大統領はまた、新ラウンドでは「農業分野やその他の分野で関税とその他の貿易障壁を大幅に削減することを望む」と主張した。さらに、インターネットを媒介する商業活動、いわゆる「Eコマース」に対する不必要な規制強化に反対する方針を表明した。
クリントン大統領は閣僚会議出席のため、一日にシアトル入りする予定。(12月1日10:43)
◆シアトル市が夜間外出禁止令を発令
【シアトル30日=国松徹】世界貿易機関(WTO)閣僚会議の会場となっている米ワシントン州シアトル市のポール・シェル市長は三十日夕、会議の開催反対を叫ぶ一部NGO(民間活動団体)の過激行為を理由に、会議場周辺の一帯に非常事態宣言と夜間外出禁止令を発令した。同日午後七時から一日午前七時半までの間は、認められた車両を除いて、車の通行が禁止される。地域内の市民は自宅にとどまるとともに、会議参加者などに対してもホテルの自室内に待機するよう求めている。
この日のNGOの阻止行動では、一部NGOは商店の窓を割ったり、代表団の車を取り囲んで窓ガラスをたたくなどの暴力行為も行っており、二十二人が逮捕された。(12月1日11:13)
◆ロンドンでもWTO反対デモ
【ロンドン30日=原野喜一郎】ロンドン市内で三十日夜、シアトルの世界貿易機関(WTO)閣僚会議に抗議して集まったデモ隊の一部が、警備中の警官隊と衝突、警察車両に放火するなど騒然となった。
同日午後七時過ぎ、同市北部のユーストン駅前に集まった千人近い参加者のうち、若者を中心とした約五百人が、取り囲んでいた警官隊に棒やビンなどを投げて、衝突は広がった。一部は近くに駐車中の警察のワゴン車をひっくり返し、火をつけて気勢を挙げた。警官隊は警棒で応戦、双方にけが人が出、警察当局よると、五人が公共秩序妨害などの現行犯で逮捕された。
多国籍企業の世界支配や資本主義に反対するグループなどが、同日昼から市中心部のトラファルガー広場など数か所でデモを繰り広げ、夜になってユーストン駅に集まった。(12月1日10:33)