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国内最悪の原子力事故が起こった茨城県東海村の村上達也村長は19日、
東京都内の日本外国特派員協会で講演し、ウラン燃料加工施設での臨界事故
が原子力防災上「想定外」だったことについて、「海外で先例があった以上、
起こると考えるのが当然。それを怠ったのは科学者の思考停止なのか、『日
本では起こらない』というごう慢な考えだったのか」と語った。
村上村長は「日本の原子力の発展を担う村であることは、荷が重くなって
きた。今後は国民全体が担っていくべきだろう」と述べ、「今後、新しい原
子力施設が村内に建設される可能性は?」の問いに「村内の空気はかなり変
わってきている。わずか36平方キロの小さな地域に14もの原子力事業所
が集中立地していることを考えると、簡単には結論は出せない」と答えた。
事故時の政府の対応については「初期対応が非常に遅かった」と批判し、
「安全神話があり『想定外の事故』だったことが遅れの原因だった」と指摘
した。
「原子力について、事故発生率が低いとか死亡者が出ていないとかいって
安全だということにはならない。いったん事故が起こった場合の破壊力の大
きさを十分前提にして、防災対策を講じておくべきだ」とも語った。
今回、講演の要請にこたえたことについて、村長は「外国人記者にも報告
する義務があると考えた」と述べた。(21:30)
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