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連続不祥事の神奈川県警本部庁舎は「観光名所」に
神奈川県警の覚せい剤使用もみ消し事件など一連
の不祥事が発覚してから2カ月余。映像や写真で繰り
返し取り上げられる神奈川県警の本部庁舎はすっかり
「観光名所」になってしまった。20階建ての白い高層
ビルをバックに、写真を撮りあう女子高生や観光客の
姿が目立つ。
横浜市金沢区のタクシー運転手(29)によると、山下
公園や中華街に行く途中で県警に寄って欲しいという
ホテルの泊まり客が増えた。「横浜と言えば『警察の不
祥事』というイメージが定着しているようだ。お客さんの
頼みだから断れないけれど、県民としては寂しい話で
す」
同県警の9月の交通違反取り締まり件数は約6万80
00件、10月は約7万6000件と昨年同期に比べそれ
ぞれ約1万5000件減少した。8月までは前年を上回
るペースだったのに、不祥事発覚後は、駐車違反やス
ピード違反でキップを切ろうとすると「シャブ(覚せい
剤)よりましだろ」「身内だともみ消すのに、こんな微罪
でも市民は処分されるのか」と食ってかかられる。市民
側のこうした姿勢に、取り締まる側がひるんだ様子がう
かがえる。
外事課の現幹部は名刺を渡すたびに相手から「あな
たも送検されるんですか」と尋ねられる。「3年前の話と
いうところをみんな見ていないからなあ」とあきらめ顔
だ。
妻に「もう新聞を開きたくない」とこぼされて、「大丈
夫だ。開かなくても1面に出ているから」と開き直った
警察署長もいる。
別の署長は「胸を張れ」と署員に訓示した。「だれか
ら何を言われても、『これが私の仕事です』と、着実に
忠実にこなしていくことが結局、一番大事だ。おれも、
キャリアの言うことがおかしければ、これからはきちんと
反対意見を言おうと思っている」
(23:51)
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