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毎日
99.11.06
■日栄への外銀融資が急増
----------- 半年間で2.3倍 邦銀縮小分を補充
強引な取り立てが社会問題化している商工ローン最大手の日栄
(京都市)に対する外資系銀行の融資が急増し、今年三月末から九月
末までの半年間で二・三倍に膨らんだことが五日、明らかになっ
た。外資系の融資合計は九月末時点で約一千億円と日栄の全借り入
れの三分の一弱を占め、日本の大手銀行の合計を上回っている。
業界二位の商工ファンド(東京)向け融資も全体の約半分を占めるシ
ティバンクを中心に残高は急増。社会的批判の高まりを受けて大手
銀が融資を減らす分を外資系銀行が補い、商工ローン会社の業務拡
大を支えている実態が浮き彫りになった。 メリルリンチグループ
は「商工ローンの実態が報道の通りなら極めて遺憾。今後の融資は
慎重にならざるを得ない」とのコメントを発表、融資残高を減らす
方針を示しており、国内大手銀に続き外銀にも融資見直しの機運が
出ている。 内部資料によると、日栄の場合、三月末は融資のな
かったメリルリンチが九月末は二百十五億円と残高トップに。外銀
合計は三月末の四百三十億円から二・三倍の九百九十六億円に拡大
し、邦銀の八百十四億円を上回った。 商工ファンドの九月末残高
は、シティバンクの千三百七十四億円を筆頭に外銀が総借り入れの
約六六%を占め、外銀の合計額は平成十一年一月期より約二一%増
えた。関係者によると、外銀は商工ローン会社向けの債権を証券化
して投資家に販売する方法で貸し倒れリスクを分散させており、融
資を短期間に増やしやすいという。