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東芝,米国集団訴訟和解で1100億円の特別損失
東芝は10月29日,米国子会社が係争中の集団訴訟について,原告側と和解が成
立,この和解に伴う費用として,1999年度決算の特別損失に1100億円を計上する
と発表した。
この訴訟は,東芝アメリカ情報システム,東芝アメリカ電子部品,ならびに東芝
アメリカの3社が,同社ノートPCが内蔵するFDDを制御するIC(FDC)のマイクロ
コードに一部不具合があり,データが破壊されてしまう可能性があるとして,米
国のユーザーから保証違反などで訴えられていたもの。
東芝側は,全世界で1件も被害報告がないことなどを理由に争っていたが,集団
訴訟では巨額の賠償金の支払いを命じられる可能性があり,リスク回避のために
和解により解決することにした。東芝側は和解について,「この和解は,当社の
法的責任やパソコンに問題があることを認めたものではない」とコメントしてい
る。
和解内容の要約は,1)今年11月8日以降に出荷する米国向けPCに新しいFDCを搭
載する,2)米国のユーザーに対し,修正ソフトの無償配布,またはハードウェ
アの改修を行う,3)今後同社のPCを購入する際に使用できるクーポン券を配布
する,4)昨年3月以降に同社PCを購入したユーザーに和解金を支払う,となって
いる。
この和解に伴う費用として,東芝は1100億円の特別損失を1999年度決算に計上す
るが,有価証券など売却益500億円を特別利益に計上することにしたため,新た
に発生する特別損失は600億円となる。この結果同社は2000年3月期の特別損益
を,10月26日発表の500億円から1100億円に,当期純損失を300億円から650億円
に下方修正した。
なお東芝では, 国内においても修正ソフトウェアを無償で提供することを決
定,11月1日に主要新聞と同社ホームページ上で詳細を告知するという。
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