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1999年10月28日(木) 14時30分
<731部隊>関係者リストの作成作業に協力要請 米下院議員 (毎日新聞)
【ワシントン27日瀬川至朗】第二次大戦中に中国で細菌兵器開発の人体
実験を行った旧日本軍の731部隊(関東軍防疫給水部)の戦犯問題で、米
下院のトム・ラントス議員(民主党、カリフォルニア州)は27日、米政府
による731部隊関係者リストの作成作業に協力するよう小渕首相に書簡を
送ったことを明らかにした。また、ナチ戦犯の追求で知られるユダヤ人人権
組織「サイモン・ウィゼンタール・センター」も同日、リノ司法長官に、7
31部隊関係者に対して行った戦犯免責処分を取り消すよう申し入れた。
米政府は、戦後、731部隊の内部資料の引き渡しを条件に、関係者の戦
犯としての扱いを免責した。その後、当時の内部資料の多くは日本に返還し
た。しかし96年、731部隊関係者を米国への入国拒否リストに加えるこ
とを決定。正確なリストがないため、日本政府に協力を求めたが、日本政府
は「日本国民の不利益になる」と協力を拒否している。
今回、小渕首相に協力要請の書簡を送ったラントス議員は、米下院に日本
政府への協力を求める決議案を提出する準備も進めている。
一方、サイモン・ウィゼンタール・センターのクーパー副代表らは、73
1部隊はすでに故人となった関係者は多いが、生き残りの関係者は今も、戦
時中の自らの行為を反省していないと指摘。米政府が免責処分の誤りを認め
ることが、日本に反省を促すきっかけになると強調した。
[毎日新聞10月28日] ( 1999-10-28-11:17 )
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731部隊の情報提供要求 米で追及の動き活発化
【ワシントン27日共同】細菌兵器研究で知られる旧日本軍七三一部隊
(関東軍防疫給水部)など旧日本軍戦犯問題で、米下院のラントス議員(民
主党)は二十七日、戦犯容疑者の情報を米側に提供し米司法省の戦犯容疑者
入国禁止リスト作成に協力するよう要請する書簡を小渕恵三首相に送った。
また、米国の有力ユダヤ人団体サイモン・ウィーゼンタール・センターは
同日、リノ司法長官やヘンリー陸軍次官補と相次いで会談し、米政府が戦後
これらの戦犯容疑者に与えた免責をはく奪するよう要求した。冷戦の終結を
受け米国で活発化している日本の戦争中の行為を追及する動きの一環で、日
本政府も対応に苦慮しそうだ。
米司法省はナチス・ドイツの協力者ら約六万人を対象に入国禁止リストを
作成、一九九六年からは七三一部隊の関係者らを加えているが、同議員の書
簡は日本政府の非協力について「戦争犯罪の犠牲者は真実を知る権利があ
る」と述べ、日米関係への悪影響も警告している。