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1999年10月23日(土) 21時11分
<米金融改革法>G・スティーガル法改正で米政府・議会が合意(毎日新聞)
【ワシントン22日逸見義行】米政府と議会は22日、大恐慌への反省か
ら施行されたグラス・スティーガル法(1933年銀行法)を全面的に改正
し、原則的に禁止されていた銀行、証券、保険業務の兼営を解禁する金融制
度改革法案について合意した。来週にも上下両院で可決し、66年ぶりに制
度改革が実現する見通しだ。今後、すべての金融サービスを網羅した「巨大
総合金融機関(総合メガバンク)」設立に向けて、米国内で再編の動きが加
速するのは確実で、日本や欧州の再編・統合にも影響を与えそうだ。
今回の合意では、銀行、証券、保険を傘下に入れる持ち株会社の監督機関
は、米連邦準備制度理事会(FRB)にするが、ほかの業務を実施するため
銀行が作った子会社には、財務省の監督権限を従来通り認める形にして、F
RBと財務省が“手打ち”をした。最後までもめたのは、マイノリティー
(少数派)や低所得層に一定の融資を求める地域再投資法(CRA)の扱
い。銀行が証券や保険を合併する場合は、積極的に再投資を実施しているこ
とを条件とするが、中小の金融機関については負担を軽減することで、政府
と議会が折り合った。
金融制度改革法案は、20年以上も前から、議会で協議が続けられてきた
が、監督官庁のあり方やプライバシー保護、CRAの扱いなどを巡って、関
係者の利害調整ができなかった。今年5月に上院、7月に下院で内容が微妙
に異なる法案を可決したが、その後も調整が難航。しかし、一つの金融機関
にあらゆる金融サービスを行う「ユニバーサルバンク」がすでに欧州で認め
られてことへの危機感も強く、米大手金融機関が政府や議会に法案成立を積
極的に働きかけていた。
[毎日新聞10月23日] ( 1999-10-23-10:58 )