安田弁護士資料:麻原弁護団長の渡辺脩弁護士に聞く(支援する会NEWS No.3より 4/15発行)

 
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投稿者 やました 日時 1999 年 10 月 15 日 02:40:59:

(「安田さんを支援する会NEWS No.3より 4/15発行)
INTERVIEW
安田さんを弁護人として法廷に立たせる
麻原弁護団長の渡辺脩弁護士に聞く

──安田弁護士が逮捕されたとき、まず、安田さんがオウムの麻原被告の主任弁
護人であるということが報道されました。安田さんへの弾圧を考えていくとき、
オウム・麻原裁判との関係の問題は避けて通れないことだと思います。現在、不
出延を理由とした国選弁護人解任の攻撃に対し、私選弁護人として再任するとい
う裁判所と弁護団の攻防が新聞等で離道されています。マスコミの報道でしか私
たちも麻原裁判のことを知る機会が今までありませんでした。基本的な質問が多
いかもしれませんが、よろしくお願いします。
安田さん逮捕の問題に踏み込む前に、前提として、国選弁護の理念やシステムに
ついての理解を共有したいと思いますので、それについての一般的なことと、麻
原裁判における事情の特殊性などを、まず、解説していただけますか。

弁護人制度は民主主難の柱
渡辺:憲法が国選弁護人の制度を条文で決めていることには根拠があるわけで
す。被告人が弁護人をつけられないときには国の費用でつけることを保証してい
ますし、刑事訴訟法でも刑罰の重い事件については、弁護人がいなければ開廷す
ることができないということを決めていまして、必要的弁護事件と言われていま
す。つまり弁護人なしには刑事裁判ができない、ということを基本的なしくみと
して憲法も刑事訴訟法も決めているわけですね。
なぜ国選弁護人のような問題が憲法の規定にまで位置づけられるのか、というこ
とはよく考えていただく値打ちがあると思う。専制政治とか、独裁政治とかが一
番はっきり形が現れるのは、暗黒裁判なんですよ。刑事裁判で、処罰を加えてい
くというのは最も強力な権力発動の形態です。だからそういう刑事裁判が国の思
うまま、あるいは処罰を加えたいという人たちの考え方だけで運営されていくと
すれぱ、真っ暗闇になるわけです。暗黒裁判というのは、公開の法廷ができな
い、それから弁護人がつかない(上訴制度がないなどもある)、主にこの二つの
ことが非常に大きな柱になる。弁護士制度というのはそういう意味で民主主義の
重要な柱の一つなんです。公開の法廷における裁判、それから、弁護人の弁護を
受ける権利、これはいつも大きな柱なんです。国家権力が処罰を求めようとする
場合、それらの柱を中心に、きちんとした証拠と、きちんとした手続による裁判
でしか処罰を認めないということがどこまで厳密に公正に行なわれるか、そうい
うことによってその社会の文明度は図られると言っていいし、文化の水準が間わ
れると言ってもいいし、あるいは民主主義が間われると言ってもいい。
刑事裁判の在り方っていうのは、そういう国の政治形態の根幹に閑わっているん
ですね。そういう位置づけを持っていますから、どんな場合があっても弁護人の
弁護を受ける権利は憲法が保障する。弁護人をつけることができないときには国
がそれを保障するっていうことになってくるわけです。だから、そういう意味で
は歴史的にも、それから憲法の在り方からいっても非常に原理的な問題なんです
ね。ですから、その意味では国選制度がどうのこうのと言うんじゃなくて、弁護
人をつけて、弁護人の弁護を受ける権利を保障するということが大事なことで
す。国選弁護人であろうと私選弁護人であろうと弁護人としてやる仕事は中身が
全く同じです。選任の手続が違っているだけですから。どういう形であれ被告人
は弁護人の弁護を受ける権利が保障されるということが非常に大事なわけで、そ
の意味では、一般的に国選弁護人がどういう理念に基づいているがが問題になる
のではなくて、弁護人制度というものが、どれほど重要なものであるかというこ
とに一番のポイントがあるわけです。それを欠くわけにはいかないから、自分で
つけられないときは国がつけますよと言っているだけですから。

麻原裁判の場合
麻原被告人の場合はどういう特徴があったかというと、やっばりあれだけ「悪の
集団」「犯罪集団」という決めつけが行われていまして、地下鉄サリン事件はじ
め多くの殺人事件や誘拐拉致事件を起こしたということで宣伝されていましたか
ら、もう、みんながオウムというだけで有罪という社会的な判決を下していたと
いう状況ですね。実際にその犯罪を起こしたことが裁判で認められている人たち
も出てきているわけだけれども、麻原被告の場合は教祖としての責任を間われて
いて、謀議の責任で起訴されているわけですが、社会的に有罪の予断が抱かれて
いて、その教団の教祖ということでありますから、オウムの教祖というだけで極
悪人として位置づけられている。だから、法廷の証拠調べが始まる前からすでに
社会的には有罪の判決を受けていたと言っていいわけです。
社会的有罪の判決でクロとされている状態のもとで、彼を弁護すること自体が悪
いことだと世俗的に言われる傾向が非常に強かったのです。そのために、弁護人
につこうとする人が誰もいないと言っていいような状態が生れていた。弁護士と
しては、そういう仕事を引受けなければならないことを自分では腹を決めても、
弁護すること自体悪いことだというふうに見られちゃうから、家族、奥さんや子
供たちの反対もあるし、奥さんや子供たちがまた周りからひどい目にあうという
状況もあってね、自分ではやらなきゃいかんと思っていても家族を説得できない
ということでやれない、ということになった人をずいぶん知っています。国選弁
護人の仕事を引受けなければいけないと考えている人でも、引受けにくい、それ
ができないような、社会的予断の状況が極端に強かった。その特徴は非常に
ファッショ的なものだと僕は思います。
──国選弁護人を探すというのは誰がやるんですか。
渡辺:それは弁護士会の仕事です。僕らは必要な国選弁護人は弁護士会として責
任を持って推薦して、必ず国選弁護人をつけるっていう約束をずっと前からして
きてますから。裁判所は弁護士会を通じて国選弁護人の推薦を受けるという仕組
みになっている。
──東京だと三つ弁護士会がありますが、このそれぞれに話が行って、それぞれ
の会が責任を持って決めだということですか。
渡辺:そうです。それはさっき言った弁護人の弁護を受ける権利を実行するため
の責任を弁護士会が負っているということです。
──その中で、安田さんが選任されることになった経緯についても教えていただ
きたいのですが。本人に聞かなければいけないことかもしれません が、安田さん
がどんな思いを持って受任されていったのかというようなことも。
渡辺:本人の承諾をもらっていないから、僕が言えることなのか、自信はないん
ですけれどね。麻原さんの場合は有罪の認定があれば死刑になる可能性のある事
件ですよね。そういう点から言うと、どんな状況があっても麻原被告の被告人と
しての権利は状況が困難であるだけに最大限に法廷では守り抜かれるべきだとい
うことは、12人の国選弁護団全体に共通する考え方で、安田さんもそういう考
え方の最も強い一人でした。そういう状況であれば、むしろ、国から費用をもら
う国選という形よりも、自分から率先して弁護人として私選の形でつくべきでは
ないかという考え方も十分あり得るわけです。そういう意味で私選でやるぺき
か、国選でやるのかという迷いが安田さんにあったように僕は思いますね。それ
は他の人とは違って、引受けるかどうかの問題じゃなくって、当然やるぺきなん
だけれども、私選でやった方がいいのか、国選でやった方がいいのかというそう
いう迷いだったような気がする。それは普通の弁護士の迷いよりは一段レベルの
高い迷いだったように僕は思います。
国選で一緒にやろうよって言ったのは僕ですよ。やっぱり記録の整備から、かな
りの人数にのぼる弁護団の取りまとめから含めていうと、弁護士会のバックアッ
プがないとなかなか出来る仕事じゃないと思うから国選で引受けて、国の責任で
弁護活動を保障させようよというのが僕の意見でした。まあ、僕自身は国選でな
ければやりきれなかったから、それで誘った記憶があります。彼は国選であれ私
選であれ、もともと自分の仕事として、死刑廃止の運動をやっていたわけだか
ら、やらなきゃならないという覚悟はしてたと思います。
──12人の弁護団の方々は早く決った人、後から入った人と様々なんですか。
渡辺:順次ですね。順次選ばれていった。
──渡辺さんのような方が最初に覚悟を決めて、みんなに声をかけていって……
渡辺:僕は安さんにいっしょにやろうよって言ったほか誰にも声をかけていない
(笑)。その後は安さんが集めてくれた(笑)。
──弁護士会の責任でやるっていうことは、三つの弁護士会からそれぞれ何人出
すとか決めたわけですか。
渡辺:うん。はじめから12人、三つの弁護士会から四人ずつという枠組みは裁
判所が提案していたんじゃないかな。
──その12人の中での役割分担はどのように決めたんですか。安田さんが主任
になったわけですけれども。
渡辺:団長と主任とが麻原弁護団の場合分かれているんですけれども、普通、一
人でやることが多い。麻原弁護団のように仕事を分けているほうが珍しいと思
う。麻原弁護団の場合は、法廷における弁護活動の取りまとめをしていくという
ことの他に、対外的な対応を含めて、とにかく仕事が多すぎる。取材に応じるこ
と自体が大きな仕事で相当の時間を割かれる。だから主任と団長的な役割を一人
が背負うことはもともと無理だということがあってね。それで、実務を中心とし
て主任は安田さんにやってもらって、僕は対外的なほうを受け持つという役割の
分担になった。それは本人の希望でもありましたからね。

弁護人の氏名公表の問題について
──弁護団は渡辺さん以外の氏名を公表しないことになっていると聞いていま
す。安田さんの身近にいても、長い間、主任までされているとは知らなかったと
いう人が多かったと思います。
渡辺:彼が逮捕されるまでわからなかったでしょう。社会的な有罪の予断のもと
で麻原被告人の弁護を引受けること自体が非難の対象になるという状況があった
わけですから、そういう状況から生まれてくるいろんな意味での被害を避けるこ
とがあったし、もうひとつはそういう社会的な状況に対する抗議、ないしは抵抗
の姿勢でもあった。つまり、安心して名前や顔を出せるような状況になっていな
い、そういう状況をマスコミが作っているじゃないか、ということに対する批判
や怒りもあってね。だいたいマスコミ嫌いが多いからね、我が弁護団には
(笑)。
──それはどこでの取り決めなんですか。
渡辺:具体的には司法記者クラブと話しあってはじめからそういう合意をしてき
たということですね。
──選任される際の条件のようなこととして決めたんではないんですか。
渡辺:いや。それはその選任後の、扱いの問題ですね。法廷での写真撮影には出
ないというのも、選任後の弁護団の意向を裁判所も受け入れたというだけのこと
です。
──安田さんが逮捕されたとき、オウムの主任弁護人だって、すぐに報道されま
したね。
渡辺:これは麻原裁判とは関係のない事件で出てきているからね。
──関係ない事件であるならば、一層その合意からして問題になりはしません
か。
渡辺:この安田事件をどう捉えるのかということが問題です。強制執行妨害罪程
度のことで、住管が告発したって、それまでのケースは在宅起訴だからね。逮捕
なんかないですよ。だから、これは安田だから逮捕されたって僕らは見てるわけ
で、そういう意味じゃ普通の刑事事件だとは全く考えていません。普通の刑事事
件として捉えることには全く反対であって、この事件の特質を見なければいけな
い。その中身には麻原被告の主任として活躍してたことも入ってたと思うから、
その点まで僕らはつぶすつもりはないですよ。むしろ報道され位置づけされるほ
うがわかりやすくなるんじゃないかと思ったから。名前や顔を出さないっていう
マスコミとの約束ごとのこととはレベルが違うから、僕らはむしろこちろから打
ち出しているわけですよ。主任の安田をこんな根拠のない事実とねつ造証拠で逮
捕するとはけしからんと主張しているのです。名前を出すのがけしからんと言っ
たら闘争宣言できないじゃないですか。
──安田さん逮捕まで、名前を出されていたのは渡辺さんお一人でした。そのこ
とによって嫌がらせを受けるなどの被害は実際にありましたか。
渡辺:東京弁護士会の私の外に、副団長の第一東京弁護士会の大崎さんと第二東
京弁護士会の三島さんも名前と顔を出しています。僕がなぜ名前も顔も出してい
るのかっていうことも、これもちゃんと聞いてくださいよ、たんに顔を出してる
わけじゃないから(笑)。僕はケンカするためだって言っています。社会的な予
断と闘い、弁護団を非難するものと闘うために僕は名前と顔を出している。で、
それに対する反発っていうのは意外と少ないような気がしていますけどね。嫌が
らせは確かにありました。事務所にも自宅にもあるにはあったけれど もそんなに
たくさんではなかった。

麻原裁判への安田さん逮捕の影響
──席原裁判が1OO回目ということで話題になっていたときに安田さんが逮捕
されました。麻原裁判の全体の流れの中で、今の時期に安田さんが拘束されてい
ることが、麻原裁判にどう影響しているか。『インパクション』にも掲載させて
もらった12月16日の集会でのお話は、麻原裁判がこんなふうに進んでいたの
かと、初めて知ることが多かったのですが、検察側がつくってきた虚構をひとつ
ずつ事実を積み重ねる形で崩しながらやってこられたわけでしょう。それが今ど
ういう所に来たところで逮捕され、逮捕されたあと、どうなっているのか。オー
プンにできる範囲でけっこうですので、聞かせてください。
渡辺:彼が逮捕された後も、事件の特徴をどう捉えるかだとか、証人の尋問をど
うやって進めていくかというようなことについては意見を交換したり議論しなが
らやっています。マスコミというのは極端だから、安田を貶めるか持ち上げるか
どちらかしかしないわけだけれども、安田も12人のうちの一人です。安田さん
一人のチームじゃない、12人全体のチームであって、お互いに力を出し合いな
がらやっているわけです。
安田は重要な位置を持っているけれども、安田だけのチームではない。だから安
田が逮捕された後も、今言ったような形で彼の弁護活動への参加は充分可能です
から、そういった意味で基本的には変わっていません。今、落田事件とか假谷事
件とか新しい事件の審理に入っていくところです。これはかなり短期間のぺース
で進んでいくという状況があり、これらの事件の特徴をどう捉えるべきかという
討議を進めていくときに、彼が弁護団会議に参加していないというのは非常に障
害にはなりますね。基本的には変わってないけど、これからの審理の進め方を考
えていくと充分な討議が出来ないということも残った者の負担になります。
また、尋間の仕事も他の11人が分担しなければならない。だから、残された人
たちの荷物が大きく、重くなっていることは事実ですね。弁護団全体は彼が逮捕
された後も、前と変わらず整然と活動を進めていると恩っています。彼の逮捕に
よって乱れたことは一度もない。ただ、安さんの秀れた記録の読解力と問題点へ
の深い洞察力はどうしても欲しい。みんな猛烈に怒っていますから、意思表明と
かそういう対応は適宜やっていますけどね。
──席原裁判の100回目というのは、単なる数字だけの区切りだったんでしょ
うか。なにか内容的に大きな展開があったというようなことはないんでしょう
か。
渡辺:単なる通過点ですね。単なる通過点だけれども、それが非常に早く来てい
ることに注目してもらいたい。早すぎるんですよ。だって証拠調べが始まって実
質2年半もいっていないんじゃないかなあ。それで100回っていうのは日本の
刑事裁判で普通から言うと天文学的数字で(笑)。
国選弁護人解任攻撃との聞い
──最近の問題なんですが、安田さんの不出廷が10回続いたということで国選
を解任させられるということが起こりました。
渡辺:逮捕された直後から僕らが言っているのは、出廷できないだけで他の面で
の活動、記録の分析や討議には参加できるわけだから、そういう意味での弁護活
動が出来るわけですから、安田は重要な戦力であり、かつ不可欠の戦力であると
いうことです。弁護団としては安田が必要だって言ったわけですよ。それから出
廷できないって言ったって、証拠を握造してデッチあげた事件で勾留されてて、
しかも、違法・不要の勾留だっていうことは誰が見ても明らかなんだから、そう
すると、安田の意思に基づく欠席じゃないし、彼の都合に基づく欠席じゃない
し、彼の責任による欠席ではないということになります。それから、以後も彼と
相談し、彼の援助を受けながら、僕ら全体としては整然とした弁護活動を進めて
きたわけであってね、解任しなければならないという特段の事情はないじゃない
か、と。あらゆる点から見て、解任の根拠がないし理由がない。出廷できないと
いうだけの理由で解任する謂れはない。
我々にすれぱね、一方で事件を握造して、違法不当に勾留して出られない状態を
裁判所は作り、一方でその裁判所が法廷に出られないことを理由に解任すること
になるわけだからね、往復ビンタを食らっているようなもんだ。ふざけるなって
いうことになるわけですよ。それで、今度の安田逮捕、勾留を通じて、考えたこ
となんですけれども、効率化だけを装う裁判の実現、それから闘う弁護士をつぷ
していくという方針、これが今問題になっている「司法改革」の本当の権力側の
狙いだと僕は思ってる。そういう路線の中で安田事件が発生したというふうに僕
らは捉えている。そういう位置づけなんですね。
もともと弁護士業務に関することでデッチあげられていて、しかも弁護士業務に
関して依頼人との問を引き裂かれてデッチあげられているわけだから、これは、
弁護士にとって切実な問題なんです。自分を弁護しようとすると依頼人を非難し
なきゃいけなくなるような関係に立たされることにもなりかねない(安田さんの
被告人意見は立派に依頼人を弁護しましたけれども)。安田さんはそれをしな
かったんです。沈黙を守っていたわけだ。その間にどんどん勝手に証拠を作られ
ていった。依頼人との信頼関係や依頼人との間の秘密を守るために彼は沈黙を
守った。権力が依頼人と弁護士の間を引き裂くということはそういう中身を持っ
ているわけだ。これは全ての弁護士の弁護士業務の在り方につながる問題だか
ら、安田がこういう形でやられればいつ自分たちもやられるかわからないとい
う、そういう危機感を多くの弁護士が持っているわけですね。
それにプラスして彼は闘う弁護士です。弁護士の通常業務に権力が干渉し、弁護
士の業務が出来ないような状況を権力側が好きなように作れる、そしてその代表
選手としての闘う弁護士をつぷしていく、そういうものが今度の安田事件の中に
集約されているのではないかと僕らは考えているのです。だからこそ闘っている
わけです。普通の刑事事件じゃないというのはそういう意味がある。安田を国選
非議人から解任することによって裁判所は麻原の法廷には二度と安田を立たせな
いという方針をとったわけでしょ。我々は断固として彼の弁護人としてのポスト
を確保して、彼を法廷に取り戻すと、法延に立たせると、そういう闘いの方針を
採ったわけです。だから私選弁護人の選任をとって彼を主任に選んだわけです。
──もう少し裁判所に対して強く抵抗する 姿勢、裁判ボイコットとかですね、そ
れを示してから私選にするということも出来たのではという声もあるんですが。
渡辺:それは考え方の違いですね。ボイコットが必ずしも強い抵抗であるとは恩
いません。僕らの選んだ道が最も強い抵抗の方法であると考えています。法延に
立たせないとする裁判所に対して、あの反撃は正面からボールを打ち返したもの
です。ボイコット戦術は安田も望んでいなかったことです。彼を法廷に立たせな
いというのが敵の狙いなんだから、彼を法延に立たせるというのは最強の戦術
じゃないですか。どんな場合でもボイコットは絶対に駄目だというのではありま
せんが。
──さっき渡辺さんが言われたように、安田さんの逮捕っていうのは、今、ガイ
ドラインなんかとも連動した問題だと思っています。今、日本の国内で一番文句
言ううるさい連中というのは弁護士なわけで、それを右側から突き崩していく、
解体していくみたいな、最も先鋭な向こう側からの攻撃であると思ってるんで
す。だから、安田さんの件というのは単に安田さんがいい人だから、とか知り合
いだからということじゃなくって、きちんと取り組んでいがないと大変なことに
なると思っているんです。
渡辺:そう思いますね。普通の刑事事件ではないんだということを強調してほし
いですね。刑事裁判とか刑事弁護っていうのはひとつの具体的な事件についてそ
れぞれきちんとした裁判をやらなけらぱいけませんから、それは大事なんです
が、同時に、それはいろんな意味で社会的な風潮や社会の問題を集約してる面も
あって、そういう面から見ると具体的な事件を通して、今の時代がどうなってる
のかなあってことを考えることも非常に大事な気がします。そういう意味から安
田さんの事件というのは社会的に非常に重大な意味をもっている事件だと思うん
ですね。その意味の捉え方についていろんな議論をしていただきたいと思うし、
僕らも参加していきたいと思います。
(4月5日・渡辺法律事務所にて/聞き手・永井・深田)




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