Tweet |
1999年10月9日(土) 11時40分
マイクロチップで愛犬が命拾い 扶桑町で行方不明に (中日新聞)
【愛知県】扶桑町内で行方不明になって動物保護管理センターに保護された飼い犬の身元が、最近普及し始めた機器の威力で短時間のうちに分かり、犬は無事に飼い主の元に戻った。身元判明の決め手になったのがマイクロチップ。体に埋め込まれ、飼い主などが識別できるようになっている。県内では県獣医師会が三年前から普及に努めているが、その威力が発揮された初のケースという。
この犬は扶桑町高雄郷東、自営業杉本伸宏さん(32)の愛犬で、シベリアンハスキーの雄「シェリフ」(八歳)。今月四日朝、えさを与えに行くと、首輪が抜けていなくなっていた。
扶桑町や隣の犬山市などの役所、県動物保護管理センター尾張支所(一宮市)に連絡して捜したところ、シェリフは犬山市内で市民に保護されて同支所へ。支所でマイクロチップのリーダー(読み取り機)をあてて、その日のうちに杉本さんの飼い犬と判明した。
杉本さんは、最寄りの動物病院でマイクロチップの存在を知り「もしもの時に」と利用した。シェリフがいなくなったのは初めてだが「チップがなかったら、見つかるのにもっと時間がかかったかもしれない。利用して良かった」と話している。
県獣医師会は一九九六年から、安楽死させられる犬や猫を少しでも減らそうと、全国に先駆けてマイクロチップの普及に取り組み、会員の獣医師にあっせんしている。今回のケースについて「活動の成果でもあり、われわれにとってもうれしい」と話す。
県獣医師会はこれまでマイクロチップ約二千本をあっせん。「実際に使われた数は把握できないが、同じ獣医が何度も申し出ることがあり、普及は進んでいるとみている」と話している。
マイクロチップ 長さ十一ミリ、直径二ミリ。犬や猫の首の後ろ側の皮下に埋め込む。チップそのものや手術費用は飼い主の負担。識別ナンバーの管理はデータ管理会社に依頼しており、リーダー(読み取り機)は県内では県動物保護管理センターの本所(豊田市)と尾張、知多、東三河の各支所に置かれている。
[中日新聞 1999年10月9日]