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08/19 03:14 耐性菌、ブラジル産輸入鶏肉から検出
細菌感染症の切り札とされる抗生物質バンコマイシンが効かないバンコマイシン耐性
腸球菌(VRE)が輸入鶏肉の一部から検出されたため、厚生省は十八日までに、原産
国の一つであるブラジルに異例の実情調査を要請した。
VREは、バンコマイシンと似た飼料添加薬アボパルシンを鶏に与えることで増える
ため、タイやフランスはこの薬の使用を禁止したが、ブラジルの実情は不明だ。
厚生省研究班(分担研究者・池康嘉群馬大教授)の調査によると、今年一〜三月、横
浜と神戸の検疫所に運ばれた輸入鶏肉百二十七検体と鹿児島、宮崎の国産鶏肉六十七検
体を検査した結果、輸入品十三検体からバンコマイシンの高度耐性VREが見つかった
。フランス産が四検体中二検体(50%)、タイ産が四十三検体中九検体(21%)、
ブラジル産二十二検体中二検体(9%)から検出された。アボパルシンの使用を禁止し
たタイとフランス産からもVREが検出されたのは、環境中に残留しているためとみら
れる。
国内では先月から今月にかけ、長野県内の病院で患者八人からVREが検出され、う
ち一人が死亡。今年四月以降、秋田、埼玉、静岡、広島の各県と東京都でも感染者が見
つかった。
同研究班が、国内の感染患者三人と、タイ産の鶏肉から検出したVREを比べたとこ
ろ、同じ系統の遺伝子を持っていたことも判明、輸入鶏肉とVRE感染の関連が懸念さ
れている。
[1999-08-19-03:14]