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グリコ・森永事件の青酸菓子放置、5件時効へ
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一連の「グリコ・森永事件」(警察庁指定114号)のうち、1984年10月、大阪、兵庫、京都、愛知の4府県のスーパーなどに、青酸ソーダの入った森永製菓の商品が放置された計5件(犯行場所12カ所)の殺人未遂事件が、7日午前零時から9日午前零時にかけて公訴時効(15年)を迎える。事件の発端となった江崎グリコ社長の誘拐、食品企業に対する企業恐喝未遂などの主要事件はすでに時効が成立しており、来年2月に時効となる東京、愛知の青酸菓子放置事件の計4件(犯行場所8カ所)の捜査が残るだけとなる。一般市民を観客に見立てた「劇場犯罪」と呼ばれ、大きな社会不安を引き起こした事件の捜査は有力な手がかりが得られないまま、「時間切れ」が迫ってきた。
青酸ソーダが混入された菓子は84年10月7日、兵庫、大阪、京都の3府県計8カ所で放置されていた。翌8日には大阪府茨木市と名古屋市の計3カ所で、9日には名古屋市の1カ所でも発見された。
製品には「どくいり きけん たべたら 死ぬで かい人21面相」とタイプ打ちされた紙片が張られていた。直後から小売店はいっせいに森永製品を撤去。消費者を巻き込んだ「青酸菓子パニック」が全国に広がった。
青酸菓子が放置される約1カ月前の84年9月12日、同社には現金1億円を要求する脅迫文が届いていた。大阪府警の捜査本部は、同府守口市内の現金の受け渡し指定場所で、犯人グループとの接触を試みたが、犯人は現れなかった。
この時、犯行グループが子供の声で受け渡し方法を指示した電話の録音テープは公開されている。
また、兵庫県警は、事件現場の1つ、「ファミリーマート甲子園口店」(兵庫県西宮市)の防犯カメラに映った不審者を公開した。野球帽にメガネをかけた男に関し、これまで約4100件の情報が寄せられたが、容疑者の特定には結びついていない。
グリコ・森永事件の最終時効は来年2月12、13両日の午前零時。東京都千代田区のすし店軒下など3カ所(85年2月12日)▽名古屋市熱田区の郵便局(同)▽東京都中央区の喫茶店前路上など3カ所(同年2月13日)▽名古屋市中区の公衆電話付近(同)で、森永製菓やロッテなど計5社の商品に青酸ソーダが混入され、放置されているのが見つかった事件が対象だ。
(03:05)