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◎NYで宗教汚す?美術展 市が中止要求、裁判に
【ニューヨーク28日共同】ニューヨークのブルックリン美術館
が近く開催する現代美術展をめぐり、同市が「宗教を汚す要素があ
る」などとして中止を要求、論議を呼んでいる。
ジュリアーニ市長が「強行すれば美術館への補助金を凍結する」
と宣言したのに対し、美術館は「表現の自由の侵害だ」と28日、
市の懲罰的行為の差し止めを求める裁判を起こすなど、対立は深ま
るばかりだ。
問題の展覧会は、同美術館が10月2日から開催予定の「センセ
ーション」。キリスト教の聖母マリアに象のふんを投げつけた作品
や、真っ二つに切断した豚をホルマリンに漬けた作品など、英国の
若手作家による約90点を集めている。
2年前にロンドンで開かれ、賛否両論の中、記録的な観客が来訪。
米でも開催を前に、キリスト教団体や動物愛護団体が反対運動を起
こした。
同美術館は私立だが、建物は市が所有、年間予算約2300万ド
ル(約24億円)の3割は市の補助金で賄っており、市は「信仰を
侮辱するような事業に税金を使うことはできない」と主張。中止し
なければ、美術館への一切の援助を打ち切ると警告した。
これに対し、同美術館は「展覧会は合法で、市の介入は憲法違反」
と反発。市長の強硬姿勢は、来年出馬する上院議員選に向けた点数
稼ぎとの見方も出ている。 (了)
[共同 9月29日] ( 1999-09-29-14:38 )