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◎遺伝子変えて社交的に 米科学者、マウスで実験
【ワシントン18日共同】たった一つの遺伝子を変えただけで、
孤独を好むマウスが社交的な性格になった、と米エモリー大のラリ
ー・ヤング博士らが19日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
動物の社会行動の多くは複数の遺伝子や環境が関与する複雑な現
象とみられるが、今回の研究は遺伝子と行動の関係を解明する重要
な一歩になると期待される。
博士らは、動物の生殖行動などに影響があるホルモンの一種、バ
ソプレッシンに着目した。このホルモンの受容体は、動物の脳内に
あるが、近種のげっ歯類の間でも、社会行動の違いによって脳内の
配置に大きな違いがあることを突き止めた。
その上で同博士らは、社交性が強いハタネズミの一種から、この
受容体の遺伝子を取り、雄マウスに組み込んだ。
すると、遺伝子を組み換えたマウスは脳内の受容体配置が変わっ
た。バソプレッシンを投与すると、ハタネズミと同じように、雌に
対して毛繕いなどの社交的な行動を盛んにするようになったという。
(了)
[共同 8月19日] ( 1999-08-19-08:31 )