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◎「哀悼」で同胞意識に訴え 江主席、統一促進の狙いも
【北京21日共同】台湾での大地震をめぐり、中国の江沢民国家
主席が21日午前、「台湾同胞の重大な損失に哀悼の意を表明する」
とのコメントを発表し、思いやる態度を表明したことは、台湾住民
に対し中国人としての「同胞意識」に訴え、「祖国統一」を視野に
入れた環境づくりを進める狙いもありそうだ。
江主席は「可能なあらゆる援助を提供したい」とも述べ、復旧援
助に積極的な態度を示した。中国の元首が「敵対状態」にある台湾
に対し、災害復旧援助を自ら申し出ることは異例で、「統一」への
戦略的判断をうかがわせている。
台湾の李登輝総統の「二国論」発言で中台関係は緊張し、中国軍
が台湾近くの海域で大規模軍事演習を行うなど威嚇を続けてきたが、
中国は非難を李総統個人に集中させ、ほかの台湾住民や国民党員に
対しては「同胞」として接する態度を堅持してきた。
今回の地震は、この同胞意識をアピールする絶好の機会となり、
中国赤十字は既に1700万円相当の援助を決めた。
しかし、台湾側はこうした中国側の意図を見透かし、援助を受け
入れることはないとみられ、台湾海峡両岸の緊張関係は今後も続く
ことになりそうだ。 (了)
[共同 9月21日] ( 1999-09-21-14:53 )