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◎☆護衛艦4隻を大型化へ 日本人救出へ収容能力確保
防衛庁は18日、次の中期防衛力整備計画(次期防、2001−
2005年度)から、海上自衛隊の主力護衛艦を大型化する方針を
固めた。日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)関連法の
「周辺事態」での日本人救出など対処能力向上を狙う措置で、現在
5000トンクラスの旗艦を1万トン級とする方向だ。
護衛艦は、他国の軍隊でいう駆逐艦に相当する主力装備。呉(広
島県)、舞鶴(京都府)、佐世保(長崎県)、横須賀(神奈川県)
各基地に計4つの護衛隊群があり、それぞれ8隻ずつで編成。各群
には司令機能を持つ旗艦と呼ばれる5000トン級の護衛艦が1隻
ずつ配備されており、この4隻が大型化の対象となる。
旗艦は現在、対潜ヘリコプター3機を搭載、5インチ砲や20ミ
リ機関砲を装備しているが、周辺事態が起きると、行動範囲が拡大
するとともに、活動内容が多岐にわたることから「大型化は不可欠」
(海自幹部)と判断した。
防衛庁は(1)捜索・救助活動や哨戒活動に備え、輸送機能など
を持った多目的ヘリコプターも新たに搭載(2)日本人救出にも対
応できる収容能力を確保(3)搭載武器を拡充−−することから、
大型化の必要性を指摘。米軍との連絡・連携強化に向け、衛星回線
を利用した通信機能も充実させる考えだ。
4隻の旗艦のうち、2隻が次期防の期間に退役する見通しで、今
後10年以内に4隻とも大型化を目指す。
防衛庁は、1998年に大型輸送艦「おおすみ」(8900トン)
を導入。2000年度予算の概算要求では1万3500トンの大型
補給艦の経費も盛り込んでおり、周辺事態を視野に入れた艦艇大型
化を進めている。
各護衛隊群に1隻ずつ配備している7000トン級の最新鋭ミサ
イル護衛艦「イージス艦」も次期防から追加導入する方針を防衛庁
は既に固めているが、同護衛艦はミサイルの捕そく、攻撃が主な機
能であり、大型化は検討していない。 (了)
[共同 9月20日] ( 1999-09-20-06:58 )