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「TBSを外資が買収!」の仰天情報
情報プロバイダーが水面下で仕掛け
ZAKZAKより
この夏、相次ぐ社員の“下半身スキャンダル”で揺れたTBSだが、今度はそのTBSそのものを「外資が買収しようとしている」といううウワサが、米国の情報・通信事業者やヘッジファンド関係者の間で駆けめぐっている。世界のメディア王ルパート・マードック氏がテレビ朝日の株をたった半年で朝日新聞社に売却したのは一昨年3月のこと。日本の放送界は長く、外資の攻撃にさらされてこなかったが、規制緩和の流れもあって、外資が日本のメディアをターゲットに進出をうかがっているという。“放送ビッグバン”の時代は間近か−。
政界やマーケット関係者が明らかにしたところによると、TBS買収は、マーケット関連の情報(コンテンツ)を独自の通信ネットで発信するプロバイダーと呼ばれる通信事業者が、水面下で仕掛けているという。
「しかも通信業者の“金づる”というのは、あの悪名高い欧米のヘッジファンド。彼らが日本の通信事業へのM&A(企業の合併・買収)に興味を示していて、TBSに買収をかける場合、その資金源となるだろう」(永田町関係者)
外資は以前から日本の放送界を投資のターゲットにしてきた。日本テレビ放送網は今年6月末現在の外国人の持ち株比率が、3月末の17・12%から19・73%に上昇した。電波法では、民間放送局の発行済み株式の20%以上を外国人が保有すると、放送局の免許が取り消される。それを防ぐため、株主名簿への記載請求を拒否するなどして、これまで外国人持ち株比率の上昇に神経質になってきた。
「TBSも常に20%近くの株を外国人が所有している。今は規制があるために、表だった経営支配はできなくても、規制緩和の流れもあり、外資の日本メディアへの攻略は激化しそうだ」(兜町関係者)。
放送事業の多くは、過小資本で、株式の非公開企業が多いことに加え、事業の性格上、国民感情と直結することから、買収は難しいといわれる。マードック氏(豪ニューズ・コーポレーション会長)が、ソフトバンクの孫正義社長と組んで、テレビ朝日に買収を仕掛けたものの、国内世論の抵抗も強かった。結局半年後に、取得時と同額の417億円で朝日新聞社が株を買い戻した。
一方、日本版ビッグバンを背景に、金融市場の規制緩和が急ピッチで進む中、1200兆円と呼ばれる個人の金融資産を求めて外資系金融機関の進出が活発化している。これに合わせ、ロイター、ブリッジ・ニュース、ブルームバーグなどの国際的な金融情報通信社が大きく勢力を拡大している。
「日本の金融システムが銀行中心の間接金融から証券中心の直接金融へとシフトしており、金融の市場化が急速に進んでいる。彼ら通信社は情報プロバイダーとして、格付け機関とともにそうしたマーケットの中心にある」(市場関係者)というわけである。
同時に、情報プロバイダー間の競争も激化しており、世界的な規模で、周辺事業の買収が展開されている。この背景には、ヘッジファンドなど巨額な資金を持つ投資家がパートナーとして参画しているケースが多く、「放送・通信事業は有力な成長分野で、投資妙味も高い」(米経営コンサルタント)といわれる。TBS買収もこうした戦略の一環とみられ、「ブルームバーグをはじめいくつかのプロバイダー名がとりざたされている」(政界関係者)という。
今後、日本にも導入が予定される確定拠出型年金(401K)など、個人投資家の裾野は大きく広がることは確実で、市場の情報発信者という枠組みを超えて、メディアミックスを進めたいとする外資の思惑。一説には、TBSの一連の不祥事発覚は、TBSの経営を揺さぶり、買収を有利に運ぼうと外資の仕掛けではないかとみる向きもある。
かつては民放の雄とされたTBSも、民放キー局では視聴率は万年3位。スキャンダル続きで、局内の士気も落ちているだけに、「いっそ外資が経営刷新すればいい」(若手社員)という声も、まんざらはずれではなくなるかもしれない。