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東ティモールにおける虐殺の背景
....インドネシア軍?米国が創り出したもの
*国際行動センターからの声明*
東ティモールで起こっていることは、紛れもなくジェノサイドである。9月8日
に国連が見積もったところによれば、20万人?人口の四分の一!?の人びとが、
インドネシア軍の組織的な狼藉によって住まいから追い出された。
東ティモールは南太平洋の小さな国であり、ポルトガルからの独立を宣言して間
もなく、1975年にインドネシアによって侵略された。現在行われている暴力
は、8月30日に国連管理下で行われた住民投票において、人びとがインドネシ
アからの独立に圧倒的多数の投票を行った後に開始された。
インドネシア軍は、東ティモールの人びとに対してと同様に国連の施設や職員に
対して血塗られた攻撃を仕掛け、世界中で非難を呼び起こしている。
ワシントンは、民主主義と人権の尊重について多くを語らず、また軍事援助を供
給しているインドネシア軍の将軍たちや、IMFと世界銀行の信用供与に依存し
ている銀行家やビジネスマン?しばしば将軍たち自身?に対しても、具体的な圧
力をかけることをしていない。
インドネシアのファシスト軍は、1960年代に米国がヴェトナムで戦争をエス
カレートさせていた頃、ワシントンによって創り出されたモンスターである。ワ
シントンは、クーデターを訓練し、装備を施し、資金を供給することによって、
軍内のファシスト右派の勢力を強めた。引き続いて起こった虐殺に国務省とペン
タゴンは「大得意」であった。
今日の東ティモールでのファシストのテロは、1965ー66年に米国に訓練さ
れたインドネシア軍が実行したことの、寒けをもよおす再演である。コミュニス
トと闘う「地方民兵」を援助すると称して、軍は島から島へと行動し、労働者、
農民、学生?進歩的な組織で活動するいかなる者をも、虐殺した。彼らは、少な
くとも100万人の人びとを殺害することによって、インドネシアの大規模な左
翼・反帝国主義運動を破壊したのである。
そしていま、米国大手メディアの論調は、何者も殺戮を止められないかの如くに、
宿命論的なものになっている。しかしこれは、米国の役割を覆い隠そうとするも
のである。
米国の独立したジャーナリストであるAllan Nairnは、インドネシア軍、「民兵」
と呼ばれているものと合州国との通謀の証拠文書を提示している。東ティモール
行動ネットワークEast Timor Action Networkによれば、米国が訓練したエリート
のKopassus部隊が、東ティモールで続いている破壊活動の一部を担っている。
*米国は1975年の侵略を支持した*
ワシントンは、1975年のインドネシアの東ティモール侵略を支持していた。
ジェラルド・フォード大統領とヘンリー・キッシンジャー国務長官は、侵略の直
前にジャカルタを訪問している。
その1カ月後、米国国務省の官僚は日刊新聞『The Australian』1976年1月
22日付で次のように語っている。「米国とインドネシアの二国間関係の見地か
ら、我われは東ティモールへの侵入を多少大目に見ている。合州国はインドネシ
アとの関係が緊密かつ友好的に保たれることを望んでいる。我われは、インドネ
シアを友好的な国と見なしており、提携がない国などではなく、我われが多くの
ビジネスに携わっている国であると見なしている」。
米国政府は、一貫して、民衆運動に敵対するファシスト軍を支えて来た記録を有
している。インドネシア軍は、結局のところ、土地と人びとを搾取するためにイ
ンドネシアに集まってきた米国の多国籍企業が歓迎する、抑圧の風土を維持して
来たわけである。
ワシントンの、コソボにおける「民族浄化」を止めさせるためにユーゴスラヴィ
アを攻撃した、という宣伝を誤って信じた米国政策の論評者たちは、いま同じ帝
国主義者たちに対して、この情勢に介入することを主張している。いかなる米国
の介入も、それが起こるならば、企業の利益を護り民衆運動を抑圧する、ハイチ
型のものになるであろう。
*何が問題となっているのか*
現在の恐怖政治は、いま直接的には、東ティモールの80万人の人びとに対して
向けられている。しかし、それは同時に、二億人のインドネシアの労働者と農民
に対する恐怖政策を目的としたものである。35年間にわたる残忍なファシスト
支配の後に、ついに、労働者と農民は彼らの諸権利を求めてふたたび公然たる組
織化を始めている。米国をバックとする同じ将軍たちは、逮捕、殺害、刑の宣告
を用いている。しかしながら、将軍たちは、この新しい労働者の運動を打ち破る
ことに成功していない。
昨年の夏に、学生と労働者による大規模なデモンストレーションは、1965年
のファシストのクーデターを導いた将軍たちのひとりである、スハルト大統領の
辞任をもたらした。そして、スハルトの親密なパートナーであったB.J.ハビビが
大統領を引き継いだ。ハビビの背後には、必要とあらば血塗られたテロを用いて
彼らの
莫大な特権を護ろうとする、凶暴な同じ軍事指導層が存在する。
企業の利益にとっては、大きな問題がある。インドネシアとオーストラリアによっ
て開発中の、ティモール地域沖合の油田と天然ガスは110億ドルに達すること
が期待されている。(AP,7月21日)
世界中の諸国の連帯するグループによって、デモンストレーションが呼びかけら
れている。インドネシアのファシスト軍に対抗しティモールの人びとと直接に連
帯するこの種の行動は、一層促進すべきである。しかしまた、米国の帝国主義?
ファシストの将軍たちの背後にある勢力についても、指摘が行なわれなければな
らない。
*東ティモール虐殺に対する米国の資金供給を停止せよ!*
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島川雅史 mshmkw@tama.or.jp
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