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◎ヒ素疑惑で告訴、入院 政権の陰謀とアンワル氏
【クアラルンプール10日共同】異常性行為の罪に問われ裁判が
続いているマレーシアのアンワル前副首相は10日、知らないうち
にヒ素を飲まされていたと主張、殺人未遂の疑いが濃いとして警察
に告訴するとともに、検査のためクアラルンプール市内の大学病院
に入院した。
同氏は告訴状で「私を滅ぼそうとする陰謀が政治的なものだけで
なく、暴行、そして毒をもるに至ったのは遺憾だ」と述べ、マハテ
ィール政権による陰謀と非難している。
マハティール首相は年内にも解散、総選挙に打って出るとみられ
ているが、アンワル氏の夫人、ワンアジザさん率いる国民正義党な
どの野党側は、今回の疑惑をたてに政権批判を一層強めそうだ。
同日開かれた公判の中で、アンワル氏の弁護士は、オーストラリ
アでの検査で同氏の尿から通常値を超えるヒ素が検出されたとし
「高い地位にある人間たち」の陰謀だと主張。公判は中断し、出廷
していた同氏は入院した。
同氏は法廷で、健康状態を尋ねられ、髪の毛と体重が減っている
とし「いつもの自分自身ではない」などと訴えた。また夫人は記者
会見し「(政権の)最高レベルで陰謀があるのは分かっていたが、
こんな犯罪までやるとは思ってもみなかった」などと述べた。(了)
[共同 9月10日] ( 1999-09-10-20:23 )