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◎3千人に神経ガス人体実験 英軍が戦後40年間と英紙
【ロンドン3日共同】3日付の英紙ガーディアンは、英軍が戦後
40年間にわたり科学兵器の威力を試すため約3200人の兵士に
神経ガスの人体実験を行っていた、と報じた。同紙によると、人体
実験の数は米国で行われた数字の3倍にあたる。
同紙はまた、英軍は1996年に総工費350万ポンドで新しい
ガス室を建設しており、英軍は将来の新たな人体実験の可能性を排
除しなかった、と伝えた。
ガーディアンによると、実験はロンドン西方約130キロのウィ
ルト州ポートンにある英軍の研究施設で続けられてきた。
実験は、連合軍がナチスの保有していた強力な神経ガスを発見し
た直後の1945年4月に始まった。最も頻繁に実施されたのは、
冷戦初期の戦後15年間で、ソ連の科学兵器に対抗するため264
4人に対して実施された。60年代になると減少し、89年に終了
した。
主に皮膚に液体の神経ガスをたらす方法がとられ、人間1人を殺
害するにはどれだけの量の神経ガスが必要かを試した。使用ガスは
主にサリンで、タブンとソマンも使われた。
一方、同紙によると、英警察当局は先月、1953年に神経ガス
の人体実験中に当時20歳の航空兵が死亡したケースの捜査を開始
した。警察は、兵士たちがだまされて人体実験に参加させられたか
どうかも捜査をする。 (了)
[共同 9月 3日] ( 1999-09-03-21:26 )