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回答先: 武装勢力の声明要旨 投稿者 倉田佳典 日時 1999 年 9 月 02 日 18:53:02:
苦境に立つウズベクのカリモフ政権 日本への配慮で板挟みに
◎苦境に立つカリモフ政権 日本への配慮で板挟みに
キルギスで日本人技師らを拉致(らち)したイスラム武装勢力が
ウズベキスタン政府に対し収監中の政治犯の釈放などを人質解放の
条件に要求したことで、同国のカリモフ政権は、イスラム勢力封じ
込め策と最大の援助国、日本への配慮との板挟みになり、苦境に立
たされている。
要求を受け入れれば、これまで強力な指導力を維持し、来年1月
に大統領選を控えたカリモフ大統領の政治的威信にマイナスに働く。
また拒否して強硬策に踏み切り人質に犠牲が出た場合、国際社会か
ら非難を浴びるばかりか、国家建設に不可欠な外国からの投資や経
済援助の縮小につながる恐れが出てくるからだ。
ウズベキスタンでは、南東部フェルガナ盆地を中心に反政府イス
ラム勢力の動きが活発。武装勢力に妥協すれば、力で押さえ付けて
きた同勢力が一気に勢いづき、国内に混乱が生じる可能性がある。
カリモフ政権は1991年の独立以来、西側諸国からの支援を取
り付け、国内開発を進めてきた。特に94年に国際通貨基金(IM
F)が同政権の経済政策に反発して融資を停止して以降は、日本を
最大の援助国と仰ぎ、経済、技術支援を受けてきた。
同年のカリモフ大統領の初来日以来、毎年のように主要閣僚が訪
日。「日本の国連常任理事国入りも指示するなど中央アジア地域一
の親日国」(首都タシケントの外交筋)になった。
日本側も地域の中核国として円借款による社会基盤整備や国際協
力事業団(JICA)を通じた支援を行ってきた。消息筋は「大統
領は大統領選を機に大胆な政治、経済改革の断行を計画している。
その意味で拉致事件は、国家建設の計画に狂いを生じさせかねない」
と指摘する。 (了)
[共同 9月 2日] ( 1999-09-02-18:18 )