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◎北朝鮮が化学戦訓練 米軍が内部文書で分析
【マニラ2日共同】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が保有す
るとされる化学兵器について、米政府が「韓国への攻撃に使用可能
であり、使用を想定した軍事訓練も行われている」と分析している
ことが2日、米太平洋軍の内部文書で分かった。
北朝鮮の化学兵器が既に実戦配備の段階にあることを示唆する内
容。
同文書によると、北朝鮮は神経まひや呼吸障害などを及ぼす化学
剤の製造能力があり、大量の化学兵器を備蓄しているとみられる。
文書は、北朝鮮にとって化学兵器は「有事の際の不可欠な戦略の
一部」と分析。北朝鮮軍は既に同兵器の使用を想定した「化学防衛
作戦」の訓練を定期的に実施して、汚染された環境下での軍事行動
に備えているとしている。
文書はまた、化学剤の運搬手段としてはロケット砲、空爆、弾道
ミサイルなどさまざまな方法があると指摘している。再発射が懸念
される弾道ミサイル「テポドン」などに搭載されれば、韓国をはじ
め周辺諸国に大きな脅威となる。
さらに同文書は、北朝鮮が生物兵器についても「30年以上にわ
たって研究開発を進めており、限られた量の伝染性生物剤や毒物を
製造する施設を有している」と分析している。
北朝鮮の生物・化学兵器をめぐっては、7月末の日米防衛首脳会
談を受け、防衛庁が化学兵器対策の拡充に加え、2000年度から
生物兵器対策の研究に着手する方針を決めている。 (了)
[共同 9月 2日] ( 1999-09-02-17:13 )