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◎銃撃受けた前警察庁長官 スイス大使の国松氏
スイス大使に決まった前自動車安全運転センター理事長の国松孝
次氏(62)=8月31日付で辞職=は、警察庁長官としてオウム
真理教事件の捜査を指揮していた1995年3月、東京都内の自宅
マンション前で銃撃され、ひん死の重傷からの回復後は一般市民が
犠牲になるような銃器犯罪対策などに力を入れてきた。
61年に東大法学部を卒業後、警察庁に採用された国松氏は刑事
と警備・公安の主要ポストを歴任。早くから「警察のエース」と言
われた。74年から3年間は在フランス日本大使館に一等書記官と
して勤務した。
94年7月に長官に就任し「強い警察」の実現に尽力したが、日
本の治安の安全神話を根底から覆すようなオウム真理教事件に直面。
警察の威信をかけた大捜査を展開中の95年3月30日朝、出勤途
中に何者かに銃撃を受けた。
96年12月に発生したペルーの日本大使公邸人質事件では政府
の対策本部員として対応に追われたが、97年3月に長官を勇退。
98年1月からは警察庁などが所管する特殊法人の自動車安全運転
センター理事長に就任していた。
警察庁出身の大使は4人目で、95年9月から98年3月までギ
リシャ大使を務めた城内康光元長官以来となる。
(了)
[共同 8月31日] ( 1999-08-31-10:29 )
◎スイス大使に国松氏 駐米大使は柳井氏
政府は31日午前の閣議で、駐米大使に柳井俊二前外務事務次官、
駐スイス大使に国松孝次前警察庁長官をそれぞれ充てるなどの人事
を決めた。発令はいずれも9月1日付。外務省条約局長に谷内正太
郎前ロサンゼルス総領事を31日付で充てる人事も決めた。
警察庁長官経験者の大使起用は山本鎮彦、城内康光両氏に続いて
3人目。
【米国大使】
柳井 俊二氏(やない・しゅんじ)東大法学部卒。61(昭和3
6)年外務省に入り、外務審議官、事務次官を経て99年8月から
外務省顧問。62歳。東京都出身。
【スイス大使】
国松 孝次氏(くにまつ・たかじ)東大法学部卒。61(昭和3
6)年警察庁に入り、刑事局長、警察庁長官を経て98年1月から
自動車安全運転センター理事長。62歳。静岡県出身。
【ウィーン国際機関代表部大使】
阿部 信泰氏(あべ・のぶやす)東大法学部中退。67(昭和4
2)年外務省に入り、国連公使を経て97年9月から軍備管理・科
学審議官。53歳。秋田県出身。
【トルコ大使】
竹中 繁雄氏(たけなか・しげお)一橋大法学部卒。65(昭和
40)年外務省に入り、法務省入管局長を経て99年8月から外務
省官房付。58歳。東京都出身。
【モンゴル大使】
花田 麿公氏(はなだ・まろひと)東京外大卒。64(昭和39)
年外務省に入り、人事課企画官を経て98年3月から瀋陽総領事。
61歳。東京都出身。
【中国特命全権公使】
宮本 雄二氏(みやもと・ゆうじ)京大法学部卒。69(昭和4
4)年外務省に入り、アトランタ総領事を経て97年6月から駐中
国公使。53歳。福岡県出身。
【条約局長】
谷内 正太郎氏(やち・しょうたろう)東大大学院修了。69
(昭和44)年外務省に入り、ロサンゼルス総領事を経て99年8
月から官房付。55歳。石川県出身。 (了)
[共同 8月31日] ( 1999-08-31-10:29 )