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◎☆特別警備隊を来年度新設 工作船事件踏まえ防衛庁
防衛庁は21日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の工作船侵
入事件を踏まえ、来年度末に(1)海上警備行動での不審船立ち入
り検査に向け、武装解除などを任務とする「特別警備隊」を海上自
衛隊に新設(2)情報機能強化のため、陸、海、空各自衛隊がとら
えた不審船などの動きをリアルタイムで一元化し、分析する新部署
を同庁情報本部に設置−−との方針を決めた。
8月末の2000年度予算の概算要求に必要経費を盛り込む。
特別警備隊は計60人で構成、3小隊を編成する。本部は海自幹
部候補生学校のある広島県・江田島に置く方向で、自衛艦隊の下に
所属する。護衛艦隊、航空集団、潜水艦隊と横並びとなり、組織上
も重要な位置を占める。
任務は(1)武装解除による無力化(2)乗船(3)制圧−−の
3つ。乗船はヘリコプターからの降下、高速ボートからの乗船、水
中からの接近の3方法を想定。隊員は防弾チョッキを装着し、機関
銃やけん銃、ガス銃、せん光手りゅう弾を携行、相手の攻撃に応じ
て武器を使用する。
警備隊の突入で安全を確保した後、一般隊員が立ち入り検査のた
めに不審船に乗船する。具体的な乗船、武装解除の方法のノウハウ
を取得するために来年度、米国へ要員を派遣する。
一方、情報本部の新部署の名称は「緊急・動態部」で、60人で
構成。
現在、不審な船や航空機などの個別情報は、海自や空自の航空機
などがキャッチし、各自衛隊は自らの幕僚監部に優先的に報告。一
方、情報本部は電波部で不審な電波の収集や解析、画像部が米偵察
衛星の画像入手などを担当しているが「現場からの時々刻々の動き
は各自衛隊が縦割りで報告し、時間差などがある」(防衛庁筋)の
が実情。
このため、同庁は新部署設置によって(1)不審船舶の侵入やゲ
リラ上陸などが同時並行的に起きた場合、情報を瞬時に一元化(2)
米国からの情報を交えた総合的な判断(3)集約した情報の蓄積で
不審な動向を時系列で把握−−などが可能になると判断している。
(了)
[共同 8月23日] ( 1999-08-23-06:57 )