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08/20 13:08 豚臓器で人間の治療「ウイルス危険少ない」
豚の臓器を人間の治療に使う異種移植は病原性のあるウイルス感染が心配されている
が、その可能性は低いとする米疾病管理予防センター(CDC)など国際合同チームの
研究結果が、二十日付米科学誌「サイエンス」に掲載される。
CDCや世界的な製薬企業などによる研究チームは、豚の膵臓(すいぞう)から採取
したインスリン産生細胞の移植や、重い肝臓病に対し豚の肝細胞を人工肝臓として用い
たケースなど、豚の細胞や組織を体内に受け入れた欧米の計百六十人の患者の血液を解
析。中でも、最も危険視されているPERVという豚のウイルスの有無を念入りに調べ
た。その結果、ウイルス血症を起こしている患者は皆無で、遺伝子分析できた百五十九
人はPERVに感染していないことを確認した。
研究チームは「肝臓移植などを含めた異種移植の臨床試験に道を開く結果」としてい
る。しかし、同じ号で英国の研究者は「動物から人間に感染した未知の病原体は、エイ
ズを引き起こすHIVやクロイツフェルト・ヤコブ病など数多くあり、今回の結果だけ
で異種移植が安全とは言い切れない」と反論を寄せている。
異種移植は臓器不足解消の狙いで世界的に盛んに研究されてきており、中でも豚は肝
臓などのサイズが人間に最も合うため有望視され、英米では異種肝移植の臨床が間近い
とされている。
[1999-08-20-13:08]
(韋駄天掲示版3851でも)
ブタのウイルス、人には感染せず 異種臓器移植に朗報 (朝日)
ブタの臓器を人に移植する研究をしている英イムトラン社は、移植されたブタの
細胞中のウイルスが人に感染することはないとの調査報告を、20日発行の米科
学誌サイエンスに発表した。移植臓器の不足を補うため、動物の臓器を使う異種
移植が検討されている。今回の調査規模では絶対安全と言いきれないが、ブタが
有望であることが示された、としている。
調査対象となったのは、ブタの細胞を移植する、透析にブタの腎臓を使うなどの
治療を受けた8カ国の160人。ブタがもつウイルスに感染していないかどうか
を調べた結果、感染者は一人もいなかった。米疾病対策センター(CDC)もこ
の事実を確認した。
このウイルスはブタの染色体の中に潜むレトロウイルス。ブタ自身には害を及ぼ
さないが、人に感染して病気を引き起こすのではないかと懸念されていた。
調査によって、23人の血液中にブタの細胞が生きていることもわかった。移植
では拒絶反応も大きな課題だが、長い人では治療後8年もブタの細胞が生きてお
り、拒絶されずに長く残る可能性が示されたという。
動物を使う異種移植の中で、ブタは臓器の大きさが人に近いことから最も有望視
されている。しかし、拒絶反応やウイルス感染の危険性、倫理的な問題が解消さ
れておらず、研究段階にとどまっている。今回の結果は異種移植を後押しするも
のだが、慎重論は根強い。
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