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◎歴史的フィルムに18億円 ケネディ暗殺の瞬間記録
【ワシントン3日共同】故ケネディ米大統領の暗殺の瞬間をとら
えた26秒間のフィルムを歴史的資料として米政府が保管するため、
所有権を主張する撮影者の遺族に米政府が1600万ドル(約18
億4000万円)を支払うことが決まり、3日、発表された。
フィルムの映像はテキサス州ダラスの衣料品製造業の実業家、エ
ーブラハム・ザプルーダー氏(故人)が、テキサス州ダラス市で1
963年に行われた大統領パレードをすぐ近くから家庭用ムービー
・カメラで撮った。
米議会決議で設置された暗殺資料の審査委員会が97年4月、フ
ィルムを政府所有とすると宣言し、所有権を失う遺族に政府が補償
するよう求めた。米国立公文書館に収蔵され、遺族と「著作権」の
値段をめぐる交渉が始まったが、3000万ドル(約34億500
0万円)の要求に対し政府側は当初、100万ドル(約1億150
0万円)を提示し難航していた。
26秒間の映像は、大統領とジャクリーン夫人が乗ったオープン
カーで現場手前のカーブを曲がってから狙撃される瞬間までを生々
しく記録。「20世紀の記録フィルムの中でも有数の貴重な歴史的
資料」(国立公文書館)となった。一部は、暗殺事件を描いた映画
「JFK」にも、遺族の許可を得て使われた。
(了)
[共同 8月 4日] ( 1999-08-04-06:00 )