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回答先: Re: 中国と台湾 投稿者 ★阿修羅♪ 日時 1999 年 8 月 01 日 08:14:46:
◎国際政治の“虚構”に挑戦
李登輝・台湾総統の発言
中台関係を「特殊な国と国」と定義した李登輝・台湾総統の発言
は、中国に対してだけでなく「１つの中国」を前提として築かれた
国際政治の“虚構”への挑戦でもある。
「１つの中国」の壁は、台湾にとって厚く高い。ゾウとアリの戦
いのようにも映るが、「中台関係を内政問題ではなく国際問題に」
と狙う李総統は、この壁に風穴を開けられるか。「２国論」が中国
の激しい反発と国際的反響を呼んだという意味で、逆説的に台湾問
題の国際化に成果を収めたのは間違いない。
「言いたくても言えなかったこと。胸のつかえがおりた感じです」。
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李登輝発言を聞いた台湾の元高校教師の感想だ。四国ほどの広さの
島に２２００万人が住む台湾は、李登輝時代の１０年間に政治の民
主化を実現。外貨準備は世界第３位で、先進国並みの経済力と３０
万の強力な軍隊を持つ。「これが国家でなく何なのだ」というのが
台湾人の偽らざる感情である。
５０年間にわたる日本の植民地統治を経て、台湾は蒋介石率いる
「中華民国」に。５０年前に誕生した中華人民共和国との間で、双
方はそれぞれが「１つの中国」を代表する「正統政権」を主張する。
米ソ冷戦時代、西側は「中華民国」を支持し、国連代表権を得てい
た台湾が「中国を代表する合法政府」だった。
この虚構は１９７１年、中国の国連加盟によって揺らぎ、７２年
の日中国交正常化と米中国交（７９年）により完全に崩壊。同時に
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「中国が唯一合法政府であり、台湾は中国の一部」という逆立ちし
た“虚構”が誕生し、台湾は国家として「消滅」した。
８８年に発足した李登輝政権は、誕生後から「虚構崩し」を開始
する。李総統自ら説明するように、９１、９２年の憲法修正で中国
との「内戦状態」の条項を撤廃し台湾の主権範囲を台湾本島と周辺
諸島に限定。総統も住民の直接選挙に改めて、法的にも「１つの中
国」から「１中１台」へ移行する基礎を固めた。
これを中国から見れば、台湾独立の動きと映り、「２国論は隠れ
独立から明確な独立」となる。李総統は「４９年以降、分断統治さ
れている現状を述べたまで」と主張するが、「王様が着物を１枚ず
つ脱ぎ、最後残ったのは薄い衣だけ」（地元記者）というように、
「独立国家」としての現状を国際社会に認知させようとの本音は鮮
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明だ。
「１つの中国」を支えるのは国連代表権と、国際政治における中
国の大国としての力である。同時にその“虚構”は冷戦後のアジア
の安全保障の重要な枠組みを構成するため米国、日本、東南アジア
も容易には崩せない。だが台湾問題の国際化により、中国の「虎の
尾」を踏めば、東アジアの安全保障は一気に流動化する。北京も台
北も瀬戸際で、危機回避の際どい選択を迫られている。（台北、共
同＝岡田充） （了）
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