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阿修羅掲示板のMASA氏No.5927中の個人リンクに関する私見、並びに話題の東芝ビデオ苦情AKKY氏サイトへの私見で失礼します。
長くなりましたので、個別案件を一部省きました。
詳細な説明抜きでそのまま技術的な記述もありますので、興味ある人だけどーぞ。
>NECのCRTモニター修理代に¥55000かかる、と言われた*******
NECサービスセンターでは自社製品の故障品が持ち込まれたならば、同等品の
新品をお手頃な価格で、お客様に「交換お買い求め」いただく方針だそうです。
いくら自分で内部の故障個所を特定できた、としてもNECは昔から部品単位で
は取り寄せてくれないようです。一切を自己責任で、としてもです。
そういう事なので、企業側の故障モード徹底究明にとっては確かに合理的ですが、
これがお客様本位のシステムかどうかは議論の余地があるかも知れません。
CRTモニタ故障の主因は多くの場合、昔から2種類程度と相場が決まっているの
で、NEC系でない修理センター持込みであれば安くなおった例を知っています。
>新品ガラクタSONY***************************
商品の開発概念のみならず、その民生品の設計技法にも特徴があります。
不揮発メモリーのデータが飛ぶ>電波をかぶる携帯電話でデータ破壊が表面化したそ
うですが、この部分の不揮発メモリーがEEPROM方式であれば、もともと本質
的に雑音重畳に弱いのです。実装条件や高温環境で更に弱くなり得るため、電源ON/
OFF対策や電子回路の耐ノイズ設計が不充分だった可能性も考えられます。
GPS基板の腐食>SONYの電子回路設計会社の話では、設計時点から製品の部品
代を極限まで安くしろ、という要求が過酷だそうです。高信頼通信機では常識的な
「シリコン系シールド材+金メッキ回路基板」等も当然視界外だったのでしょう。
そのほか>とにかく安く作るために、場所によっては設計に相当な無理があります。
スイッチやコネクター類の頼りなさは、どのメーカも基本的に同じですが、
機構部品に関してはこと不良品の選別基準が甘い様な印象の出来事もありました。
NiCd電池は機器の充電回路が、過充電状態無視の仕様だと早死にします。
どこまで本当かはわかりませんが、中国でだいぶ前、SONY製テレビがすぐ破壊
するという苦情が殺到したそうで、その時はコンセントAC電源電圧の変動が設計
仕様を上回ったのが原因だ、とされたようです。
知り合いのオーディオ狂のご託言は>「SONYはやめたほうがいいよ」。
長年故障無しのSONY製品を持っていますので、私は肯定も否定もしません。
私としては、SONYの半導体部品や高信頼仕様の放送機器は、まともです。
ビデオ問題−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
大抵のAV系民生家電品の、回路故障の元凶は [電解コンデンサー] です。
これは2枚の金属箔を、電解液を介して近接させたコンデンサー、通称ケミコンです。これは電子部品の中で最も寿命が短い部類に入り、直流逆電圧の印加や雑音信号成分の重畳によって劣化が進んだり、ショートして永久破壊したりします。
電気的に手荒な扱いをすると本当に爆発します。また、この劣化が原因で半導体素子の長期「生殺し」破壊を招く場合も多々あります。
民生家電品では過度の小型化・低コスト競争を強いるため、特に短寿命85℃1000時間品を使わざるを得ません。(長寿命品は105℃5000〜時間仕様です。)
この部品は常温かつノイズの少ない直流電圧の実装環境下では数倍以上の機能寿命を期待できますが、テレビ、パソコンCRTやVTRのスキャン同期関係のような電気的ストレスの甚大な使い方で、しかも運悪く特に高温下で用いられているとなれば、劣化は極めて速く進み得るのです。高信頼な某機器設計者にとっては常識的です。
あと、半導体異常劣化が原因の可能性もゼロではありませんが、低いと思います。
あの東芝VTR抗議の話題サイトを見ました。故障が3ヶ月オーダーの経時変化であれば、ケミコンの可能性もあり得るかと存じます。重要な時定数に関係するケミコンが劣化して、同期範囲を逸脱してしまう、という故障モードです。
詳細は専門書に譲るとして、制御モデルにおける、ある瞬間に映像信号の同期動作条件を逸脱すれば、あのように再生時に横線が走ったりしないんでしょうか?
推測のまま話を進めますれば、もしあのVTR機種の、その回路部分がモジュール基板単位として外部部品メーカーからの購買品だったとしたら、修理や開発部門の迅速な対応は難しいかも知れません。と言いますのは設計図面には指示されない、購買品モジュール内部の部品がどうこう、の問題になってくるからです。
仮に上記部分が故障原因だったとして、その解決方法は、
劣化しては絶対に都合の悪い部分の、その@¥数円程度のケミコンを、@¥20円前後の(乾式)タンタルコンや最近の有機固体系コンの長寿命品に変更する事です。
スパイクノイズの重畳であれば、回路周辺のノイズフィルター機能も強化します。
高安定が要求される回路ブロックも、その程度で解決できるはずです。
これは、かつてのテレビ回路設計者であったならば見当がつきそうなものでしょう。
今や電子回路の複雑高精度なデジタル処理化と、開発期間とコスト効率が厳しく追求されている、などのために看過ごされたのだろうか。
このケミコン劣化の問題は、テレビや、最近の超激安低品質パソコンに用いられているスイッチング電源回路に於いても、全く同様です。
昔からテレビの「保証期間が過ぎたらうまく壊れる」設計の話題は、それらしい回路技法が思い当たらないことはないのですが、煩雑になるのでここでは割愛します。
それにしても、例の東芝ビデオ苦情のホームページ。いざ読んでみますと、
東芝一部社員の対顧客初期対応のみならず、技術的対応までもが相当に混乱しているのでは、との感想を持ちました。私たち不況社会の今日、明日の姿と重ね合わせつつ。
(今話題のAKKY氏人気サイトをここでも一応リンクしておきます。)