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熊本日日新聞990717
毒物混入発生!あなたはどうする? 24日、危機管理訓練 熊本
熊本市や県、県警、自衛隊などでつくる熊本市災害医療対策連絡会議は二十四日、毒物混入事件を想定した大規模な危機管理訓練を実施する。通常の訓練で事前準備するシナリオは今回はなく、訓練の参加者は実際に事件が起きた場合と同様、各自の判断で対処。訓練の終了後、その判断や対処が正しかったかを検証する。熊本市によると、毒物混入を想定した本格的な危機管理訓練は、全国で初めてという。
昨年七月、和歌山市で毒入りカレー事件が発生し、当初、原因を食中毒とした保健所が厳しい批判を浴びた。その後も、全国で類似事件が続発したため、毒物混入事件に備えた危機管理体制の充実を図るのが狙いだ。
訓練は、同市平田二丁目の空き地のバザー会場で、毒物混入事件が発生した―との想定。市保健所や市消防局、自衛隊、県警、県、市医師会、日赤県本部など十一機関から約三百五十人が参加。地元自治会や看護学生など三十人がボランティアで、被害者役となる。
事件現場では市消防局が現場指揮所を設置し、被害者の症状を見極め、病院へ搬送。消防局から連絡を受けた保健所や警察も、被害者への聞き取り調査や捜査をする。
さらに、実際に毒物が混入した食品を、毒物名を伏せて市環境総合研究所に運んで毒物を特定する。市は保健所内に対策部、市庁舎内に対策本部を設置。厚生省など関係機関への連絡や、財団法人日本中毒情報センター(茨城県つくば市)への照会など治療情報の収集をする。
熊本市は「訓練で失敗を経験することに意味がある。問題点を洗い出して、もしもの場合に備えたい」と話している。